かかりつけ薬局についてのアンケート調査結果について
1 はじめに
医薬分業の制度が進み県民の生活に浸透してきたが、医薬分業の目的である、より安全な医薬品の使用を行いよりよい医療の提供を受けるには、各人に対する薬の情報を1ヵ所に集約できる「かかりつけ薬局」の推進を図ることが望まれる。
そこで、今回、かかりつけ薬局に関する県民の実態及び意識調査を実施しその結果を今後のかかりつけ薬局推進の一助とするために、県政モニターの方を対象にアンケート調査を実施したので結果を報告する。
2 調査方法等
(1)
調査時期 :平成20年7月17日〜7月28日
(2)
調査対象 :県政モニター465名
(3)
調査方法 :インターネット及び郵送による回答
3 回答状況
(1) 回収状況
調査対象者465名中369名から回答が得られた。
内訳は、インターネット回答が171名、郵送が198名で、回収率は79.4%であった。
(2)
年齢・性別
回答者の年齢は15歳から85歳にわたり、複数の医療機関を受診する機会が多いと考えられる60歳代以上は38.5%を占めた。
男女別では、男性が43%、女性が57%であった。

4 アンケート結果
(1) 医薬分業の経験
「医療機関で院外処方せんを受け取り、まちの薬局で調剤してもらったことがあるか」という問に対し、331人(90.2%)の人が「あり」と回答し、医薬分業をほとんどの人が経験していることがわかった。
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医薬分業の経験あり |
331人 |
90.2% |
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医薬分業の経験なし |
36人 |
9.8% |
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計 |
367人 |
100.0% |
(2)「かかりつけ薬局」に関する現状と認識
医薬分業を経験した人に、「交付された処方せんをどこの薬局に持って行って調剤してもらうか」という問に対しては329人から回答があり、結果は次のグラフのとおりである。

隣接薬局へ処方せんを持って行くとした人は、(B+D)の234人で、回答者の71.1%が医療機関に隣接した薬局で調剤をしてもらっていることがわかる。このうち、今回の調査目的であるかかりつけ薬局という観点から複数の医療機関へ受診している人(A+B+C)278人に限ると、1ヵ所の薬局へは20.5%、各医療機関の隣接薬局へは67.3%、一定していないは12.2%となり、やはり7割近くの人がそれぞれの医療機関に隣接した別々の薬局で調剤してもらっており、どこで受診しても1ヵ所の「かかりつけ薬局」を決めている人は20.5%であることがわかった。
また、医薬分業の経験のない人と1ヶ所の医療機関しか受診したことがない人に対して、複数の医療機関から処方せんが交付された場合の意向を聞いたところ、1ヵ所の薬局に持って行って調剤してもらいたいとする人が、回答者80人のうち22人と27.5%を占め、経験者の実態より高い数値を示した。

(3)
薬局の選択理由
@「調剤してもらう薬局をなるべく1ヵ所に決める(=かかりつけ薬局を持つ)理由」(複数回答)を聞いたところ、89人から回答があった。「薬の重複や飲み合わせを防げる」とした人が59人(66.3%)と最も多く、次いで「薬歴管理が行われ副作用の発生を抑えられる」が50人(56.2%)、「薬の説明を十分に聞ける、相談をしやすい」が46人(51.7%)と続いた。

A「各医療機関に隣接した薬局に行く理由」(複数回答)を回答した人は230人で、うち202人(87.8%)の人が、「便利だから」として圧倒的に多かった。次いで、「行くことに決まっていると思っていた」と答えた人が74人(32.2%)、「かかりつけ薬局を選択するための情報がない」、「かかりつけ薬局のメリットを感じない」「満足できる薬局がない」と答えた人がそれぞれ52人(22.6%)、39人(17.0%)、22人(9.6%)であった。

B「その時の都合で、色々な薬局で調剤してもらい薬局を定めていない理由」(複数回答)については、65人が回答し、「時間的な制約からその時の都合によらざるを得ない」とした人が43人(66.2%)で最も多く、「お薬手帳に記載すれば大丈夫」、「かかりつけ薬局のメリットを感じない」が21人(32.3%)、20人(30.8%)と続いた。

(4)
お薬手帳の活用
(3)ABで「1ヵ所の薬局に行かなくてもお薬手帳に記載すれば大丈夫」と回答した人がそれぞれ20.0%、32.3%いたことから、利用の仕方について質問した。
「お薬手帳を持っているか」の問に対しては、持っている人と持っていない人がちょうど半分ずつであった。
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持っている |
183人 |
50.0% |
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持っていない |
183人 |
50.0% |
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計 |
366人 |
100.0% |
お薬手帳を持っている人の利用の仕方(複数回答)としては、回答者180人のうち、手帳に、薬局で調剤してもらった薬、医療機関で直接投薬されたものを記入している人がそれぞれ84人(46.7%)、64人(35.6%)と多数を占めたが、「持っているがあまり利用していない」と答えた人も58人(32.2%)おり、活用の仕方に差異が見られた。

(5)
医薬分業に対する評価
回答した366人のうち、医薬分業を「よいと思う」と答えた人が149人(40.7%)、「よいと思わない」と答えた人が99人(27.1%)、「どちらともいえない」とした人が118人(32.2%)であった。
医薬分業の経験の有無別で見てみると、経験有の回答329人については、それぞれ130人(39.5%)、94人(28.6%)、105人(31.9%)、経験無の回答者36人については、それぞれ19人(52.8%)、5人(13.9%)、12人(33.3%)となった。

(6)
医薬分業に対する評価の理由
@「よいと思う理由」(複数回答)について回答した人は146人で、「薬の内容を知ることができる」が99人(67.8%)で最も多く、次いで「薬の説明を十分聞ける」が84人(57.5%)と治療への関心の高さが示されるとともに、医薬分業の最大の利点と考えられる「薬の重複や飲み合わせを防げる」「薬局でのチェックで安全性が高まる」がそれぞれ75人(51.4%)、45人(30.8%)と続き、医薬分業の意義が意識面でも浸透していることが窺える。

A「よいと思わない理由」(複数回答)については98人から回答があったが、「医療機関から薬局への移動が手間である」、「費用が高くつく」と答えた人が80人(81.6%)、76人(77.6%)と多かった。「処方せんを持って行っても断られることがある」との回答が4名からあり、詳細は不明であるが、応需義務の体制がとられていない状況があることがわかった。その他として、病名を知らないのに薬を出すのは分業の弊害、薬の内容について質問しても返答ができない、費用に見合った説明ができてない等の意見があった。

5まとめ
医薬分業は9割の人が経験しているが、医薬分業を「よいと思う」と答えた人は約41%で、その理由として、約68%の人が「薬の内容を知ることが出来る」を挙げ、「薬の説明を十分聞ける」、「薬の重複や飲み合わせが防げる」、「薬局でのチェックで安全性が高まる」と続いた。
「よいと思わない」と答えた人は約27%で、その理由としては、「医療機関からの移動が手間」「費用が高くつく」を挙げた人が約8割を占めた。
かかりつけ薬局を持っている(薬局を一ヶ所に決めている)と答えた人は約21%であった。受診した各医療機関に隣接した薬局で調剤している人が約7割と圧倒的に多かった。
かかりつけ薬局を持つ理由としては、66.3%の人が「薬の重複や飲み合わせを防げる」を挙げ、約56%の人が「薬歴管理が行われ副作用の発生を抑えられる」と続いた。
受診した各医療機関の隣接薬局で調剤してもらう理由は「便利だから」と答えた人が約88%と圧倒的に多かった。
お薬手帳を持っている人は50%であるが、そのうち約32%の人は、「あまり利用していない」と答えた。
医薬分業・かかりつけ薬局に対する自由意見・要望として、アンケートに回答のあった369人中190人と多くの方から記載をいただいた。
これらの意見を参考に、今後のかかりつけ薬局のあり方について、検討を重ねていきたい。