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海づくりレポート
いぎす料理タイトル

3月8日、小豆郡土庄町伊来末にある四海漁協組合において、瀬戸内沿岸に伝わる郷土料理の「いぎす」を取材してきました。
いぎすは海藻の一種です。夏に採取し、 天日干しと水洗いを繰り返して白くなったものを保存しておき、料理に使います。
しかし、現在では「いぎす」を作る家庭も少なくなり、小豆島でも数えるくらいになっています。


今回の取材先
今回、料理の取材でお世話になった四海漁協女性部員の長栄 喜美江さん。
いぎす料理は「ばあちゃんの炊いているのを見て、何度も失敗しながら覚えたの。」と語ってくれました。【写真中央】
長栄 喜美江さん 四海漁協組合事務所
今回の取材場所は四海漁協組合事務所2Fで、すぐ裏は海です。【写真右】

いぎすのレシピ
いぎす料理
【材料】 分量
いぎす 100g
ぬか汁 1500cc
米ぬか 3カップ
【調味料】 分量
みりん 大1/2
しょう油 大5
本だし 8g
味の素 大1
1/4カップ
砂糖 大2

いぎすに入れる具のレシピ
【具の材料】 分量
ごぼう 1/3本
油あげ 1枚半〜2枚
ちくわ 1/2本
かまぼこ 1枚
干しえび 50g
煮竹の子 40g
人参 少々
【調味料】 分量
みりん 大1・1/2
しょう油 大4
だし汁 1・1/2カップ
砂糖 大2
味の素 小1


先に具を作ります
具

@ ごぼうは"ささがき"をして、あく抜きをする。

A 油あげ、ちくわ、かまぼこ、竹の子、人参は小さく切る。

※ささがき・・・・ささの葉のように、うすく細長くそぎ落とす切り方。

干しえびは、水の中に入れて戻しておきます。

その後、干しえびをだし汁1 ・1/2カップを入れた鍋で柔らかくなるまで煮ます。柔らかくなってから先に切っておいた具を入れて味をつけます。味がつくと煮汁を切ります。

具を投入

いぎすの炊き方
米ぬか

@ 米ぬか3カップを布の袋に入れて軽くしぼります。

※米ぬかに使う米は、もち米の方が良いそうです。



乾燥したモコモコのいぎす
A 一番しぼりの濃い汁で、いぎすを洗い軽くしぼります。
しぼり汁は捨てます。【写真右】
乾燥した いぎす 一番しぼり
乾燥した状態のいぎす。
【写真中央】

ポイントは濃いめ
米のとぎ汁 B 2回目にきれいな水でしぼり、今度は米のとぎ汁より濃いめにしたぬか汁になじませます。


手がだるいくらい
ぬか汁投入

C 軽くしぼったいぎすを鍋に入れ1.5リットルのぬか汁を入れて火にかけ、焦がさないように休まず混ぜる。汁がいぎすになじんできたら、酢1/4カップ(50CC)を入れます。

とにかく混ぜる!手が・・

<ワンポイントアドバイス>
押したら、にじみ出るくらいの量のぬか汁。
水分の量は、後から入れるしょう油や具の水分の事も考えて少なめにし、少し硬いかなと思ったら徐々にぬか汁を足していきます。最初から軟らかくしてしまったのでは失敗するため、練るときに硬めに調整するのもポイントです。「手がだるいくらいのかげんがいいのよ」と長栄さん。

ぬか汁の分量

カメラマンぐったり
チャレンジ

興味を持ったレポーターとカメラマンが交代で練るのを手伝いました。少し時間がたつと、カメラマンは「疲れた〜」と弱音を吐いていました(笑)

長栄さんいわく「炊く時は絶対にしゃべったら駄目よ!集中しないと鍋を焦がすから」と笑顔でアドバイスしてくれました。炊く時は、ずっと混ぜていないとすぐに焦げついてしまうから、子どもが寝静まったあと夜鍋をするそうです。

いぎす料理を作る家も少なくなりましたが、昔は法事の時などにおもてなしの郷土料理として、手間暇かけて作って出していました。


まぜること、1時間
シェイク いぎすは、乾燥に手間と時間がかかり、たくさん採っても乾燥して白くなる頃にはぐっと量が減ります。そのため別名を「貧乏草」とも呼ばれています。料理にも手間がかかり、長栄さんいわく「店で売ってたら絶対に買う!」というほどです。しかし、スーパーなどでは売っていないため手間がかかっても作らないと食べられない料理です。
手間はかかるけど味は絶品

とろろ状になるまで練り続けます。とろろ状になると味をつけます。更にしゃもじに付いたいぎすが、バッタンバッタンと落ちるくらいまで練ります。約1時間。その間、鍋からひとときも離れられません。

「ねばり具合は、一回作ったくらいでは分らない。何度も経験を重ねて、やっと満足できるようなおいしい料理が作れる。」と長栄さん。

しゃもじに付いた いぎす

具をいれます
具を投入 D だし汁を入れ、しょう油大さじ3杯を入れます。
味がついて、ブツブツと煮立ってきたら弱火にし、先に用意した具を入れて良くかきまぜ、全体にいきわたるようにします。

最後に強火にして、もう一度ブツブツしてきたら、火を止めてバットに入れます。扇風機で良く冷やして固め、食べやすい大きさに包丁で切ります。冷蔵庫で1〜2時間冷やすと更においしいです。

バットに移し変え


苦労の末、ようやく試食にありつけました
試食

完成した料理を試食してみると、ズッシリとした重みと「いぎす」独特の風味、ザラザラした食物繊維の食感は今までに食べたものではたとえようがありません。
しかも、普段は食べることが出来ないものを食べる事ができたという満足感で、取材班一同は「いぎす」の話に花が咲きました。

←女性部員の方々です。「食物繊維たっぷりで便秘の方にはおすすめです!」とのことです。



いぎす料理は作るのに根気のいる料理です。昔は法事などで出されていましたが、今は大切な家族やお客さんのために手間をかけてつくられています。このように、いぎす料理は一般の家庭に普及するするようなものではありません。もし、どこかでいぎすでもてなされることがあれば、それは相当に幸福なことではないかと思います。


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