いぶし銀の体色と、タイに比べ精悍な顔つきが特徴。繊細な当たりと強い引きで釣り人にも人気の魚です。小さい時はすべて雄で、2歳で雄として繁殖に加わり、4歳30cmぐらいで、多くが雌に性転換します。
沿岸寄りの塩分のやや薄い海水を好み、稚魚はごく浅い海で育ち、漁港や海水浴場でも見られます。タイに比べ移動範囲は小さく、県内で一生を過ごすものが多いようです。
栽培漁業センターでは、昭和57年から毎年50〜100万尾の種苗を生産し、漁協などが購入して放流してきました。しかしながら、かつては高級魚に近かったチヌですが、味のよいタイの生産量が増えて需要が減ったことや、泥臭さ、磯臭さが嫌われて、評価が落ちたことから放流も平成15年をもって休止することとなりました。
春から初夏にかけての産卵期前後は味が落ちますが、秋から冬にかけてはぐっとおいしくなります。刺身、塩焼き、煮付けが一般的で、地域によってはチヌ飯、さつまなどの郷土料理もあります。チヌ飯は米の上にコンブを敷き、調理したチヌを頭付きで乗せ、醤油で味付けして炊き上げます。さつまは西讃の一部に伝わる料理で、焼き魚の身をほぐし、焼き味噌とまぜ、だし汁でとき、ごはんにかけて食べるもので、チヌのほか、タイ、ボラなどでも作られます。 |