テングサはトコロテンや寒天の原料となる海藻です。濃い赤紫色で太さ1mmくらいの枝が樹枝のように分枝して、海の中では20〜30cmの半球状に広がっています。波当たりのそれほど強くない水深1〜5mの岩などに付着して生育します。
似た種類も多くあり、図鑑と見比べてもなかなか分からないので、知っている人に教えてもらうのが一番です。
県内では漁業として採取されることはなく、春から夏にかけて岩から離れ、浜に打ち上げられたものを拾い、自家用にしたり行事などで使われます。
採取したものは真水で洗い、広げて強い天日にさらして乾燥させます。これを何回も繰り返していると白っぽくなります。よく乾燥したものは何年でも持ちます。
トコロテンはつるっとしたのど越しがなんともいえず、夏のおやつとしてこの上ないものです。からし醤油や酢醤油などでいただきます。県内では坂出の八十八場(やそば)が有名で、江戸時代の後半にはお遍路さん相手にトコロテン売りがあったといわれます。
寒天は冬期、昼夜の寒暖の差を利用して、トコロテンを凍結、解凍を繰り返して水分と不純物を除いて乾燥させたもので、長野・岐阜県あたりの特産品ですが、近年は海外から原藻を輸入し工業的につくられるものも多くなっています。 |