ちょっと見はチヌに似ますが、やさしい顔立ちで口が小さいのが特徴です。腹は銀色ですが、背は青っぽい色と、赤褐色の2種類があることが知られています。沿岸の藻場や岩礁域などにすみ、海藻や岩に付いた小型の甲殻類など食べます。全長25cmあまりになります。
お腹のなかで仔魚が育つ胎生で、10〜11月に交尾し、5〜6月に5cmくらいの稚魚を10〜30尾産みます。生まれた稚魚は藻場で育ち、その年の冬にはもう一人前のおとなになり、翌年には子供を産みます。
このような繁殖生態は、親魚の乱獲が資源の減少に大きく影響すると考えられます。また、お腹の大きな時期は味も落ちることから、地域によっては腹の大きな時期に、タナゴが多い場所では網をやらないようにしたり、とれても大事に放流するなどの取り決めを漁業者間で行い資源管理に取り組んでいます。
「秋タナゴ嫁に食わすな」といい、特に秋が美味で嫁には食べさせるなというほど。焼いてちゃりちゃりと脂が出てくるお盆前後から秋が旬です。淡白な白身で脂がのり、小骨は多いものの身離れはよく、塩焼き、煮付けがおいしい。なかなか高価な魚です。 |