長く伸びた下あごと、細長い体形で、表層を泳ぐのが特徴です。背は青緑色、腹は銀白色で、下あごの先端は紅色をしていて、この色が鮮やかなものほど鮮度がいいといわれます。
春、流れ藻といって、海面を漂うホンダワラ類に卵を産み付けます。ホンダワラ類はガラモとも呼ばれ、岩などに生えて、秋から冬にかけて大きくなり、波などにあおられて根が切れるのですが、葉に空気の入った気胞があって、長期間、海に浮いて漂います。メバルやワタリガニ、外海ではハマチの子(モジャコ)など多くの稚魚の住みかとしても重要な役目をしているものです。
サヨリの卵は直径2mm程度と、普通の海産魚に比べて大きく、1尾あたりの産卵数は少ないのが特徴です。わりと丈夫で、ふ化までの約2週間、流れ藻に付いてただよっています。燧灘ではサヨリをとる船びき網が行われていて、産卵期には、流れ藻を目印に網を引くこともあり、卵のたくさんついた流れ藻も網に入ってきます。それはすぐに海に返していますが、海岸に打ち上げられるものもあるので、なんとかしたいものです。
稚魚は夏頃から岸近くに見え始めますが値は付きません。漁獲するのは1年くらいたってからで、燧灘では網目の大きさを自主的に制限して小さなサヨリがとれないようにしています。
サヨリは上品で淡白な味。身が透き通るように美しいので、それを生かした糸造りなどの刺身やすし種、ほかに塩焼き、酢の物、すまし汁、干物などにされます。鮮度が落ちるのが早く、腹から痛んでくるので、買ったら早めの下ごしらえが必要です。 |