スマートな体形に鋭い歯、鋭角なひれが特徴のサワラは、4〜5月、瀬戸内海に入り込んできます。5〜6月に産卵し、7月頃には再び外海へ出ますが、その春生れた稚魚は11月頃まで内海で成長します。
サワラ漁の中心は流しさし網。猛スピードで泳ぐサワラを網に刺してとります。体に1本の線が入るのは網にかかったあと。近世初めには行われた香川の伝統漁法です。
「鯛の浜焼き、鰆の刺身」と言われ、サワラは讃岐の味の代表。そら豆に実が入り、麦が熟れはじめる頃、讃岐の農家ではサワラ料理で親戚の人々を振るまう「はるいお」が行われました。
刺身のほか、塩焼き、照り焼き、酢の物としても賞味されますが、押し抜きずし、味噌漬け、そら豆やふきとの真子の煮付け、白子やあらの味噌汁などは、サワラを愛でる讃岐ならではの郷土料理です。また、真子から丹念につくった「カラスミ」は讃岐の名物として、幕府に献上されてきた歴史を持っています。
しかし、近年サワラの漁獲は急激に減少しました。そこで、県下のサワラ流しさし網漁業者全員で協議会を組織し、網目の大きさ制限や秋漁の休業などに取り組み、現在は、瀬戸内海全体で資源管理を行っています。また、同時に独立行政法人水産研究総合センター屋島栽培漁業センター(旧日本栽培漁業協会)ではサワラの種苗生産、放流を行うなどの活動により、徐々に漁獲量は増加傾向にあります。 |