細長い体形に銀白色の小魚。下あごが上あごより長いのも特徴です。
水温の高い初夏から晩秋の間は砂にもぐり眠ります。12〜1月に産卵し、産卵後はやせますが、春の訪れを感じる頃になると急速に太ってきます。ふ化した仔稚魚は、しばらくは比較的表層を浮遊しますが、5月以降は砂底の瀬(海底の砂が盛りあがったところ)につくようになります。
さっと湯がいた「釜揚げ」は早春の味。酢醤油にからしを効かせて食べます。鮮度落ちが早いので、普通は水揚げされたら加工場に直行しゆがかれます。漁村では、船から揚がったばかりの活きのいいイカナゴで、棒炒り、つけ焼き、天ぷらなどにします。釜揚げにしたのを天ぷらにしてもおいしい。
棒炒りは、大きめのイカナゴを醤油、みりん、砂糖、しょうがで汁がなくなるまで煮詰めた佃煮で、棒のようになります。イカナゴのおいしさを閉じ込めた一品です。神戸、明石特産の釘煮は、稚魚を同様に佃煮にしたもので、いずれも鮮度が大事です。稚魚を塩ゆでして干したものはカナギ(カマスゴ)といい、そのままチリメンジャコと同様に食べたり、釘煮にもされます。
イカナゴ醤油は讃岐の特産品。秋田の「しょっつる」、奥能登の「いしる」とともに日本三大魚醤(ぎょしょう)といわれ、古来より有名でした。その味は塩っからいがうまみがあります。特有の臭いが敬遠され、一時跡絶えていましたが、現在、わずかながらつくられています。 |