瀬戸内海でベラといえばキュウセンのこと、夏の磯を代表する小魚です。小さな赤ベラがメス。成長するとオスの青ベラに変わります。夜間や冬は砂に潜り眠るといった習性もあります。
ベラの仲間は種類が多く、熱帯から温帯に広く分布し、色鮮やかな外観をしています。以前は県内のベラの仲間は低水温に耐えられるコブダイと、砂中で冬眠する能力を持つキュウセンに分布が限られていましたが、最近は温暖化の影響か、ヒョウタンベラなどと呼ばれるホンベラやササノハベラなどが増加しています。しかし、これらはキュウセンより数段味が落ち、あまり利用されていません。
ベラは外海に面した所では人気がありません。住み場や餌などの環境でおいしさが変わるのかもしれませんが、瀬戸内海では高級魚。ベラを専門に狙う延なわやさし網漁業や、釣での遊漁もあるほど人気のある魚です。そのため古くから長崎県などから天然の稚魚を購入し、毎年100万尾前後を放流しています。
ベラの料理は、塩焼きが絶品で、特に大型の青ベラは上品な味わいがあり、料理屋の夏の一品です。漁村ではぬめりを洗ってとっただけで塩焼きにすることもあります。その他、大型のものは刺身に、小さめのものは素焼きにしてから煮たり、二杯酢、南蛮漬けにします。 |