調査研究・刊行物

調査研究ノート

【備讃瀬戸あれこれ】 第8回 「カニを釣る」

カニのうまい季節になりました。そこで渡り蟹(がざみ)の釣り方を紹介します。

道具は釣竿と捕獲網と餌。釣竿はそこらにある長さ1mぐらいの竹の棒か木の枝。先端にこれも1mぐらいの紐を結び、垂れた紐の先には網の袋を付けます。袋の大きさは握りこぶし大。捕獲網はチョウチョ網の古くなったもので十分です。竿や網は浜で棒切れや漁網の切れ端などを拾い自作することもできます。

餌はサンマのぶつ切りか油っ気の多い魚の切り身です。

袋の中にぶつ切りを1・2片いれます。袋を垂らして海中の岩の隙間に近づけます。するとカニが出てきて袋に寄ってきます。ツメで網を充分挟み、餌に十分に食らいついたところを見計らって、そっと、静かに袋を引き上げていきます。急ぐと異変を察知してツメを離すので、ゆっくりが肝心です。

悟られずに餌袋をそーと引き上げ、空中に出てしまうと、さすがにカニは危険を感じツメを離します。その瞬間にチョウチョ網を差し入れ、落下してくるカニをうまくキャッチするのです。

好調だと1時間余りで十匹余釣れ、ゆで蟹をたらふく食えます。しかしいつもそうとは限りません。いいすみかを狙わなければ釣果は望めません。空き家に餌をちらつかせてもダメなのです。

大きく潮が引いた時に、いつもは近づけない岩場や石積み波止の下を丹念にあたっていくのが大漁のコツです。
  (当館館長 大山真充)

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『衆鱗図』のワタリガニ
(高松松平家歴史資料・県立ミュージアム保管)
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