調査研究・刊行物

調査研究ノート

【備讃瀬戸あれこれ】 第5回 「タイの骨と釣針」

タイは縄文時代から現代までよく食べられている魚です。

山の頂上にある弥生時代の遺跡からマダイの骨が出土しています。

山の上から魚の骨が出土するのは奇異に感じられますが、現地に行けば、納得できます。

この遺跡は紫雲出山(しうでやまいせき)と呼ばれ、香川県西部、荘内半島(三豊市詫間町)の紫雲出山頂上(標高334m)にあります。

山頂からは瀬戸内海が一望でき、天気の良い日は爽快です。狭い岬ですから、海が足元に見えます。

1時間もかからずに山を下ることができるので、日常的に水産物を取っていたようです。

マダイ・イシダイなどの魚骨のほか、サザエ、ハマグリなどの貝殻、ウニ、ワタリガニの殻などが出土しています。

釣針もあります。鹿角を加工したもので、柄と先端を分離して作っています。出土品は先端部分だけですが、破片の長さだけでも5㎝、太さ約5㎜ありますから、全体だとかなり大きな釣針になります。

大型の魚がこれで捕獲されたのだろうと発掘調査報告書(『紫雲出』詫間町文化財保護協会1964年)では推定しています。

マダイは現代では最大で70~80㎝ぐらいでしょうが、出土したマダイの骨は大きく、弥生時代には全長1mを超えるものが釣り上げられていたのでしょう。

大きな魚と大きな釣針、いにしえの釣りはダイナミックです。
  (当館館長 大山真充)

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紫雲出山遺跡全景
   
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紫雲出山遺跡の復元家屋
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紫雲出山から瀬戸内海を望む
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