常設展示

第1展示室・1階 「瀬戸内海の昔の漁業とその用具」

1.瀬戸内のタイ

タイは一本釣りが有名ですが、たくさんの船が協力し、沖合で網を使って一網打尽にするタイ縛網漁も行われました。その網を曳いた大きな真網船やタイをとるさまざまな道具を展示しています。


タイ縛網真網船(香川県三豊市)

タイ漁に関わる資料(香川県ほか)

2.手繰網から打瀬網へ

手繰網は網の片方をイカリで固定し、もう片方を船で曳く底曳網の元祖です。一部は風力で網を曳く打瀬網漁に発展し船も大型化しました。その手繰船を展示しています。


手繰船(香川県観音寺市)
 

3.瀬戸内のさまざまな漁法

魚は網でとるだけではありません。イカナゴなどが光に集まる習性を利用したイワドタキヨセ網やアビ鳥が近づくとイカナゴなどが団子状に集まる習性を利用した餌床すくい網をはじめとして、オオダコ壺やイイダコ壺・ハゼ壺・イカス・ハゲヒキなど魚の習性を上手に利用した漁法を紹介しています。また突漁の用具やテングサ・ワカメ・サザエ・アサリなど、磯物をとる用具や海士による潜水漁具も展示しています。


餌床すくい網
(徳島県鳴門市)
イワドタキヨセ網
(愛媛県今治市)

陶器製(左)とアカニシ貝(右)の
イイダコ壺(香川県高松市)

ハゼ壺(岡山県玉野市)

イカス(香川県東かがわ市)

海士・海女用具
(徳島県美波町阿部ほか)

ハゲヒキ(広島県呉市)

アサリ取りのジョレン(広島県広島市)
ワカメやテングサをとる道具(徳島県鳴門市ほか)

4.漁民の信仰

海で生活する人々の最大の願いは、船の安全と大漁でした。フナダマサンは船を守ってくれる神様で、エビスサンやオオダマサンは大漁の神様です。また魔除けとして、漁家の戸口に吊るされたホネガイやアワビなども展示しています。


エビスサン
(香川県多度津町)

フナダマサン
(和歌山県田辺市)

ホネ貝の魔除け
(高知県東洋町)

アワビの魔除け
(香川県直島町)

5.瀬戸内海の船

三豊市詫間町で活躍したタイ縛網船をはじめ、波の高い明石海峡で操業するため水押を剣先のように鋭く上に突きだしたケンザキミヨシと呼ばれる一本釣漁船、島の農耕に使われ麦やサツマイモを運んだ農船(ヤマデンマ)、祭礼行事に船競漕をしたカイデンマと呼ばれるスマートな船、瀬戸内の島々を結んだ渡船など、さまざまな環境、用途の中でさまざまに発達した船を展示しています。


一本釣漁船(兵庫県明石市)

ヤマデンマ(広島県大崎上島町)

カイデンマ(広島県大崎上島町)

渡船(広島県瀬戸田町)

6.船図及び船大工用具

木造船をつくった船大工が描いた船の設計図や道具を展示しています。 船の設計図には板図と紙図があり、縮尺はほとんどが10分の1で描かれています。図面には、左を船首にした側面図に、断面の角度(開き)や艫(船尾)の正面図が描かれています。収蔵板図中、最も古いものは「弘化2(1845)年」紀年銘の小形の弁財船で、紙図では「文化5(1808)年」紀年銘の高田屋嘉平の名前が入る幕府御用達弁財船のものです。
また、船大工用具には、型板・型紙、定規・曲尺、墨壺・墨芯などの墨掛用具や釿、鉞、鋸、鑿、鉋などの加工用具、摺鋸、釘差鑿、槌、船釘などの接合用具、鑿打、マキハダなどの防水用具、万力、鎹、ウマ・リンなどの固定用具などがあります。


瀬戸内の船大工用具(瀬戸内各地)
 
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