事業評価システムについて

平成13年3月
行政評価システムの調査研究プロジェクトチーム

経緯
「事業評価システム」とした理由
事業評価システムの基本的な仕組み
評価調書の作成と事故評価の重要性
評価の観点
自己評価の点数づけ
自己評価に対する評価
評価事務の体制
評価調書
10 自己評価の限界と評価委員会の設置
11 評価調書及び作成事業の範囲
12 評価調書の公開
13 評価システムの見直し
14 システム全体のイメージ図
15 評価システムと新世紀基本構想の事業計画

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6 自己評価の点数づけ

 優先度を考える場合の方策として、自己評価の点数づけを行うこととし、12年度の試行では、事業、施策ともに、四つの評価の観点ごとに、10点満点による点数評価を導入した。点数による自己評価については、反響が大きく、評価の内容より、点数が注目され、点数の付け方の基準や考え方ばかりが先行し、調書公開の是非についても、政策企画会議では、それのみが議論の対象となった。
 客観的に点数づけを行えば、県は何を優先するのか、何を見直そうとしているのか、その意思を表すものとなり、施策選択に役立てられるものである。しかし、あまりにも各部によって、担当者によって、付け方にバランスがとれていないことがあり、逆に、その点数基準が課題となった。一時は、点数づけを止めることも考えたが、点数がわかりよいとの県民の意見を踏まえ、修正して採用することとした。
 なお、自己評価点数は、個々の事業ごとに担当者がどのような自己評価を行っているかを一目でみることができる一方で、他の事業の点数と比較して、横並びで点数をつけるという意識が働き、どれも同じ点数をつけるという面がある。しかしながら、事業を見直すことを本気で行う際には、効果が上がっていないことを示す手段となり、議論の材料となるものであると考えている。
 12年度の試行時の基準は、次のとおりであった。

○○○については、
10 最善の施策、事業である。
7〜9 予定(期待)以上に良い施策、事業である。
(期待どおりの)良い施策、事業である。 標準
3〜5 想定(期待)していたより悪い施策、事業である。
見直しを行う(改善を図る)施策、事業である。
廃止する施策、事業である。

 この点数づけに対する意見として、職員からは「自己評価点数の付け方は、現在のままではどうしても感覚的な付け方となってしまう。(7と8との差などについては説明できないのではないか。)」、「自己評価点数については、非常に点数評価し辛い場合がある。また、県民満足度については、何を根拠に判断すればよいのか。」、「自己評価点数の付け方について、もう少し具体的にお願いしたい。」などが寄せられ、次のように改善することにした。

 自己評価点数…5点満点による評価を行う

 (基準)
5点   満 足
4点    ↑
3点 (期待した)効果のある施策、事業である。 標準
2点    ↓
1点   不満足

 ここで参考までに、政策評価の基準の代表的なものを紹介しておきたい。

効率性(efficiency) ある結果を得るために、投入した資源(予算、人、もの)から最大の成果を得ること。
経済性(economy) 最小の費用で適正な質の資源を獲得すること。
有効性(effectiveness) ある活動から期待される成果が達成されること。
公平性(equity) 受益と負担が適正であること。
十分性(adequacy) ニーズに見合うサービスが提供されていること。満足度が高い。

 この基準のうち、支出に見合った価値の実現は貨幣換算しにくいことから、有効性の評価が中心となると一般にいわれている。

7 自己評価に対する評価

 担当者自らが調書を書くことによって課題を認識するとともに、評価項目に対する点数づけを行う方式の事務事業の見直しには限界があるということは認めなければならない。このため、調書の公開による県民への説明責任意識の向上を図り、自己評価を高めるほか、事務事業の見直しは、担当課が自ら行うのが好ましいが、他者からの指摘がないと気付かない場合もあり、このチェックは必要と考え、庁内での二次的な評価を加えることが必要と考えた。
 試行段階では、予算時の評価を財政課が、決算時の評価は政策企画総室が行うことを予定したが、具体的な見直しを指摘できたのは、予算編成権を持つ財政課からでないと効果はなかった。政策企画総室で行った評点づけ(支持率)は、結局、偏差値を求めるような作業となり、事務事業の見直しには役立たなかった。
 このため、13年度からは、事業見直しの観点は財政課が行うこととし、計画の見直し、施策の方向性の見直しという観点は政策企画総室で受け持ち、それぞれに連携する方式をとることとした。
 なお、自己評価の客観性を高める方策を今後とも研究しなくてはならないと考えている。

8 評価事務の体制

 評価調書に記入する事業や施策は、予算書に記載された事業のうち、別に定めた対象事業とする。
 執行評価の際には、「事務の改善・見直し等の方向性」の考え方に沿い、事業を整理し、これを次年度の予算編成に役立てることとしている。
 現行の組織において、事務の流れは次のように予定した。

月別 事業担当課 政策企画総室 人事課 財政課
4月 出納整理 担当職員の実務講習
(各部単位)
管理職研修
(自治研修所)
 
5月
6月 (決算)
評価調書作成
調書作成の通知
作成サポート
   
7月 政策企画総室に提出 評価調書とりまとめ   事業評価調書の点検
8月
9月 施策見直しに基づく次年度予算の検討
決算審査に係る調書の作成
前期事業計画の進捗状況把握
指標の検討
外部委員からの意見聴取等
新規施策の提案
  見直し項目の各部への指示
10月 (予算要求) 執行評価調書の公開
(ホームページ掲載)
   
11月 評価調書作成
財政課へ提出
評価システムの改善点検討   予算編成
調書作成の通知
12月        
1月
2月 予算計上した事業の評価調書修正 次年度に実施する評価方針の検討 行革推進委員会への報告 予算発表
予算計上新規事業の調書とりまとめ
事前評価調書の公開
3月

9 評価調書

 評価調書については、試行を重ねながら、その都度変更してきた。今後も改善していくことから毎年様式に変更があると考えてもよい。しかし、基本的な項目については、変わることはないと考えている。このため、このシステムは、毎年度、要領を定めて実施する方式を採用している。

 (1) 事業評価調書

 執行評価‥‥別紙1  新規事業分評価‥‥別紙3

 (2) 施策評価調書

 執行評価‥‥別紙2  新規事業分評価‥‥別紙4

 調書については、次のような指摘を踏まえ、改善している。

単年度の評価調書となっているが、少なくとも5年間程度の事業状況や事業評価ポイントの移り変わりも示すなど長期的な視点に立った様式に変更すべきである。
毎年同様の様式を作成することとなると思われるが、今回の作成分に年度毎の事業の改善点等を加えて記載できるよう改めることが、事務の改善につながる。
評価の観点など施策評価と事業評価の記載内容が同一の場合が多く、施策評価は事業評価の積み上げとなっている。施策評価は、自己評価だけではなく、施策の優先度、当該課の当年度の目標や方針、事業の改善点などを記載するとともに、事業評価とは別に、大局的な観点からの記載を中心とした県民にわかりやすい様式に変更すべきである。

10 自己評価の限界と評価委員会の設置

 行政事務の執行活動に対する評価は、大きく二つに分けられる。
 第一は、戦略的な見直し、つまり

(1)組織体制が全体として政策遂行に適しているのかどうか
(2)民営化、アウトソーシングの検討
(3)ボランティア等の活用
(4)規制緩和
(5)予算編成の仕組みの再考
(6)人事制度の見直し

 という視点がある。
 第二に、能率・生産性の業績評価、効率化を求める事務事業改善の視点がある。
 評価調書による自己評価は、この第二の視点から行うものであり、これをシステム化するとともに、庁内での二次的な評価を行い、実効性の確保に努めているのであるが、一方で、このシステム自体を評価し、評価のレベルを引き上げていくことも必要である。
 このため、外部委員による評価委員会を設けることとした。
 一般に、外部委員といえば審議会や外部監査人が思い浮かぶように、委員会の位置づけとして、事業内容自体を評価することを想起するかもしれない。しかし、そうではなく、評価調書を自らがレベルをあげて作成して客観性を持たせるだけでなく、外部の専門家の方に意見を聞いてこのシステムのあり方や評価項目が他にあるのではないかなど、評価の質を高めていくためのアドバイスをしてもらえる委員会を考えている。
 他県においても、外部の委員による評価委員会を設けているケースもあり、いずれも、評価の実施のあり方、情報提供や指標の検討など、評価システムのあり方についての委員会を設けている。
 なお、参考までに監査制度との関係であるが、これについては、平成12年11月の企画建設委員会で、次のように答弁している。
 「外部の委員会で事業、施策の是非を行う場合には、監査制度と整合性の問題が生じる可能性があるが、県では、今申し上げたように、設置するとしても、制度の充実を図るためのアドバイスにとどめたいということを想定しているので、基本的には、監査制度との直接的な関連性は薄くなると考えている。しかしながら、施策を評価するという点においては、事業評価も監査も同じ機能を持つ側面があることから、監査委員や外部監査人の希望があれば、このシステムをご活用いただくこともあろうかと思っている。」

他県の状況

北海道 政策評価委員会(委員数5名)
 所掌:政策評価の実施・あり方、成果指標の検討など
評価の妥当性を審議するものでなく、システムや実施状況に関する提言を行う。
青森県 政策マーケティング委員会(委員数13名)
 所掌:情報提供や意見提言等、評価指標の評価
システムを構築していくうえで設置されたもの。指標の設定を行ってもらっている。
静岡県 行政評価委員会(委員数7名)
 所掌:行政評価手法の構築、実施成果の評価、効果・効率性の検証
    (評価表のレベルアップのため)

 具体的には、各委員にはその専門分野の部局を担当してもらい、担当者が1〜2ヶ月に1回訪問したり、メール等のやりとりを行いながら意見をいただき、その結果を、年2〜3回会議を開催し、とりまとめる。

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