第3章
交通安全対策の現状と問題点

総合的な交通安全推進体制の確立
交通安全意識啓発活動の推進
体系的な交通安全教育の推進
道路交通環境の整備
(1)
(2)
(3)
(4)
体系的な道路網づくり
都市内道路の充実
快適で潤いのある道路空間と福祉の町づくりを支える道路づくり
交通安全施設の整備
適切かつ効果的な交通秩序維持対策の推進
高速交通時代への対応
総合交通体系の確立
今後の交通死亡事故の抑止目標

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 多発する交通死亡事故を抑止するためには、本県の交通環境の変化を的確に捉え、適切な安全施設の整備、体系的な交通安全教育の実施、広報啓発活動の推進や効果的な交通指導取締りを行うなど、市町、関係機関・団体と連携の下、総合的な交通安全対策を推進する必要がある。

4 道路交通環境の整備

 21世紀を目前に控え、人中心の安全で活力に満ちた社会・経済・生活を実現するため、以下のビジョンにより道路整備を進める。

 (1) 体系的な道路網づくり

 本州四国三橋時代を迎え、更なる交流の活性化を図るため、高規格幹線道路・地域高規格道路をはじめとする広域的な連携を支える幹線道路網の構築を図り、効率的な流れを確保する。

 (2) 都市内道路の充実

 深刻化する都市内の道路交通渋滞は、環境問題、経済効率の低下等を引き起こしている。
 渋滞の緩和・解消、沿道環境の改善を図るため、バイパス・環状道路の整備及び交差点等の主要な渋滞ポイントにおける対策並びに連続立体交差事業等を推進するほか、交通需要マネジメント施策等を実施し、活力ある地域づくり・都市づくりを行う。

 (3) 快適で潤いのある道路空間と福祉の町づくりを支える道路づくり

 周辺環境と調和した道路空間の創出と、障害者・高齢者をはじめ全ての人が、住み慣れた地域で安心して生活ができ、積極的に社会参加できるような道路づくりを推進する。
 また、交通事故は、車対車、車対人など色々な態様があるが、交通規制、分離帯の設置等により、物理的に人と車両等が接触する機会を削減すれば交通事故の絶対数は減少すると考えられる。更に、交通事故の発生要因は、人の行動パターン、心理状態に起因するものが多いため、いかに注意喚起できるか、走行に障害のない道路空間をいかに構築できるかが重要である。そこで、上記ビジョンに沿って、次の施策を推進する。

ア 連続立体交差事業の推進

 高松市の中心市街地において、安全で円滑な都市交通の確保と、地域の一体的な整備を促進するため、高松琴平電鉄琴平線及び長尾線の連続立体交差事業を推進する。

イ 交差点における右折専用レーンの整備

 右折専用レーンは、交通渋滞の緩和等交通の安全と円滑を確保するうえで重要であることから、今後、道路管理者、公安委員会等の関係機関が協議しながら、右折専用レーンの整備に努める。

ウ 自転車歩行者道の整備

 自転車・歩行者の多い路線や通学路に指定されている路線について、自転車歩行者道を整備する。

エ コミュニティ道路の整備

 コミュニティ道路は、居住系地域への通過交通を削減し、歩行者、自転車の利用しやすい道路空間を確保するものであり、その対策としては、車道幅員を削減したり、ハンプ(舗装を部分的に盛り上げたり、切り下げたりして自動車通過時に運転者の注意を喚起するもの)やシケイン(車線を途中で振ることにより、運転者の注意を喚起し、車両のスピードを抑制するもの)を設置することにより、走行速度の抑制と車両総交通量の軽減を図り、交通事故の削減効果を期待するもので、この事業を推進する。

オ 自転車利用環境の整備

 市街地における自転車、歩行者のふくそうの緩和による安全の確保と、自動車交通の沿道環境への影響の軽減や二酸化炭素排出削減などの地球環境への負荷の低減のために、日常的な交通手段として機能性の高い自転車の利用促進を図るため、自転車が快適で安全に走行できる空間を整備する事業を推進する。

カ 交差点の優先・非優先の明確化対策

 県下の交通事故の特徴である、交差点での出会い頭の交通事故を防止するため、カラー舗装により優先・非優先を明確にして、より一層視覚的に注意喚起を促す対策を推進する。

キ 道路における植栽の検討

 道路空間において、安全に走行するには、見通しの良い空間形成が不可欠である。しかし、景観への配慮、市街地の潤い形成を目的に、植栽がかなり整備されており、見通しが遮られている。交通安全の観点から言えば、中央分離帯の植栽は、遮光性の利点もあるが、反面、見通しを大きく遮っているため、植栽のあり方について検討を進める。

ク 中央分離帯の切断に対する検討

 中央分離帯は、車両の転回や歩行者の乱横断等を防止し、安全な交通流を確保して交通の安全を確保するのに有効であり、道路構造令の趣旨に沿った中央分離帯を積極的に設置すべきである。中央分離帯の開口の現状は、沿道の環境が田畑の存在により、農耕機等の通行を確保するため短い開口部が多数存在している。今後、沿道環境の変化(田畑から宅地への変化等)に応じ、開口部のきめ細かな点検を行い、閉口すべき場所については閉口し、閉口できない場所については、開口部の存在が昼夜を問わず認識できる安全施設の設置を検討する。

ケ 高齢者、身体障害者等の対策

 高齢者、身体障害者等が安心して社会参加できるよう、視覚障害者誘導ブロックの整備、既設の歩道の段差解消や昇降装置付立体横断施設の整備等のバリアフリー化に努めることにより、安全で快適な歩行空間を構築する。

 (4) 交通安全施設の整備

ア 新交通管理システムの導入、整備及び交通管制エリアの拡大等

 新交通管理システム(UTMS)は、日本における高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems最先端の情報通信技術等を用いて人と道路と車両とを一体として構築することにより、交通管理の最適化等を図り、道路交通の安全性、輸送効率、快適性の飛躍的向上を実現するとともに、渋滞の軽減等の交通の円滑化を通し、環境保全に大きく貢献する等、真に豊かで活力ある国民生活の実現に資するシステム)の実現を方向づけるもので、現状の交通管制システムを、より一層高度化、インテリジェント化した高度交通管制システム(ITCS:Integrated Traffic Control Systems)を中核に、
@ 公共車両優先システム(PTPS:Public Transportation Priority Systems)
A 交通情報提供システム(AMIS:Advanced Mobile Information Systems)
B 高度画像情報システム(IIIS:Intelligent Integrated ITV Systems)
C 安全運転支援システム(DSSS:Driving Safety Support Systems)
D 歩行者等支援情報通信システム(PICS:Pedestrian Information and Communication Systems)
E 緊急車両支援情報通信システム(FAST:Fast Emergency Vehicle Preemption Systems)
F 緊急通報システム(HELP:Help system for Emergency Life saving and Public safety)
G 交通公害低減システム(EPMS:Environment Protection Management Systems)
H 動的経路誘導システム(DRGS:Dynamic Route Guidance Systems)
I 車両運行管理システム(MOCS:Mobile Operation Control Systems)

の10サブシステムから構成されている。警察にあっては、平成12年中に交通情報提供システムの導入を図り、平成13年度以降は、その他のサブシステムを順次導入するとともに、関連する信号機の増設、交通管制エリアの拡大等を推進する。

イ 信号機の増設

 交差点事故及び道路横断中の事故が多発している現状から、道路実態、交通実態、交通事故実態を踏まえて、信号機の整備を推進する。

ウ 信号機制御の高度化

 地域制御信号機の整備、系統化及び右折矢灯の増設を推進して、渋滞緩和やスムーズな走行を可能にして交通の安全と円滑化を図る。

エ 高齢者等交通弱者用信号機等の安全施設の整備

 高齢者等の交通弱者対策として、対象者の需要度を把握の上、交通弱者用押しボタン信号、視覚障害者用信号、音声案内機能付き押しボタン信号等の整備を推進する。

オ 道路標識・標示の整備充実

 本県においては、交差点等における一時不停止による交通事故が多発している現状から、危険場所に対する効果的な交通規制を行うとともに、規制の表示に当たっては、県民に「分かりやすく、見やすい」表示にするため、交通規制標識、標示の大型化、高輝度化などの改善並びに法定外表示(例〜一時停止強調表示)の導入、整備を図る。

カ 高速走行抑止システムの整備

 主要幹線道路はもとより、生活道路的な準幹線道路においても、道路実態、交通実態、交通事故発生状況等を踏まえて、高速走行抑止システムの整備を図り、異常な高速走行のドライバーに注意を喚起して、自主的な安全速度を励行させ、重大交通事故の防止を図る。

キ シルバーゾーンの整備

 「シルバーゾーン」は、高齢者の安全な生活空間を確保するため、昭和56年から整備し、県内に72箇所が指定されていた。しかし、その後の高齢者福祉施設の建設や既存施設の移転、道路整備が行われるなど、社会環境や道路環境の変化に伴い、実態に合わなくなったものもみられることから、新たに「シルバーゾーン設置基準」を定め、高齢者の視点に立って、高齢者の利用度の高い路線・場所・区域を平成11年7月に54箇所指定した。今後、道路管理者等と連携を密にして、ゾーン内の安全施設の整備充実や地域の交通安全意識の高揚を図る。

※ シルバーゾーン内に次の交通安全対策を講じる。
(例示) ・高齢者等弱者用信号機 ・高輝度横断歩道
・自発光式一時停止標識 ・一時停止強調表示
・路側標識 ・シルバーゾーン標識
・大型標識(灯火式、下照式)

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