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2 香川県の交通死亡事故多発要因の分析
ア 交通環境

@ 自然環境
降水量は全国41位、日照時間は1位と、人が年間を通じて屋外で活動しやすい環境となっている。また、面積は47位、可住地面積比率は10位、人口密度は11位と、狭い県土において、人と車の交わる機会が他県を上回っていることが推測できる。
老齢人口比率は15位、全国平均より3.7ポイント高く、高齢化が進展している。A 運転免許保有率
運転免許保有率は5位、高齢運転免許保有率は8位と、運転免許保有率が高い。
B 自動車等保有台数
県民一人当たりの原付自転車保有台数は6位、自転車保有台数は5位と高く、道路交通の場における自動車、原付車、自転車、歩行者の混合度が他県よりも高いことが推測される。
イ 県人口、高齢者人口の推移

| (注)昭和58年を指数100とする。 (資料)香川県統計年間:各年10月1日現在推計人口 |
香川県の人口は、昭和58年に1,013,138人となり、平成10年には1,030,068人と昭和58年に比べわずか2ポイントの増加に留まっているが、高齢者人口については、昭和58年に128,232人であったのが、平成10年には205,353人と昭和58年の1.6倍に増加している。
ウ 運転免許人口の推移

| (注)昭和58年を指数100とする。 (資料)香川県県警本部運転免許課調べ:各年12月31日現在 |
香川県の運転免許保有者は、昭和58年には462,524人であったのが、平成10年には635,132人と昭和58年に比べ37ポイント増加している。その間、男性の保有者が26ポイントの増加に対し、女性の保有者は56ポイントと男性に比べ倍増している。また、高齢の運転免許保有者は、4.7倍と急増している。
エ 自動車台数の推移

| (注)昭和58年を指数100とする。 (資料)自動車台数は運輸省統計資料「自動車保有車両月報」、原付車両台数は各市町照会:各年:12月31日現在 |
香川県の自動車保有台数(二輪車を含む)は、昭和58年は431,422台で平成10年には701,504台と昭和58年に比べ63ポイント増加している。原付自転車については、昭和58年は191,572台で昭和62年までは増加傾向にあったが、その後減少傾向に転じ、平成10年には141,100台と昭和58年に比べ26ポイント減少している。
ア 道路整備状況(一般国道と都道府県道)

一般国道(自動車専用道路を含む)と都道府県道の道路密度は大阪、東京、愛知に続いて4位と高く、道路舗装率も2位、中央帯が設置された道路の整備延長率は12位(中四国では1位)と県道以上の幹線道路網の整備は進んでいるといえる。
しかしながら、歩道設置率は20位と道路密度に比べて歩車道の分離が進んでおらず、また、交差点密度は18位に対し右折車線設置交差点密度は29位と道路交通の安全と円滑を確保するための対策に遅れがうかがえる。イ 道路の整備推移と交通事故の関係

| (注1)高速道路国道等(自動車専用道路を含む)整備延長は昭和62年を指数100、その他は昭和58年を指数100とする。 (注2)中央帯が設置された道路延長は高速自動車道等、国道、都道府県道、市町道の合計である。 |
高速道路の延伸に併せ、インターへのアクセス道路が整備される。その結果、高速道路の供用開始後は周辺の交通環境(交通量、車両の走行速度等)が大きく変化し、それに伴い、死亡事故が増加していることが推測される。
ウ 道路の沿道状況と交通量と交通事故の関係
@ 死亡換算偏差値の算出
全国の交通死傷事故発生状況を、都道府県道以上の道路について、全国23,436区間(センサス区間)、香川県415区間(センサス区間)に区切り、各区間毎に事故類型別致死率から死亡換算件数を算出し、交通量区分・沿道状況別に、各区間毎の死亡換算偏差値を算出した。
偏差値の高い区間は、全国の同類型の道路と比較して、死傷事故発生確率が高く、逆に偏差値が低い区間は相対的に安全な道路といえる。香川県の415区間平均偏差値は、54.0となっており、香川県は相対的に全国より死傷事故の発生確率が高いといえる。
| (注) | 各区間の死亡換算件数(全国センサス区間データから算出) | |||||||||||||||||||
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| 死亡換算件数は、死亡事故だけでなく、すべての人身事故の延長線上に潜在死亡事故があるとして各事故類型毎に致死率を統計し、死亡事故の換算値を算出したものである。 | ||||||||||||||||||||
| (注) | 各区間の死亡換算偏差値(全国センサス区間データから算出) | |||||||||||||||||||
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A 死亡換算偏差値の高い区間・低い区間
香川県の偏差値の高い区間及び低い区間を付図1に表す。同図より、香川県において次のことがうかがえる。
| [偏差値の高い区間] | |
| 1) | 幹線道路の渋滞を避け、非幹線道路に通過交通が流入する区間 |
| 2) | バイパスが整備されても、交通量が依然多い旧道路の住居が密集している区間 |
| 3) | 市街地の混雑区間を抜けた郊外において、高速走行が可能となる運転者の集中力の欠如を誘発する区間 |
| 4) | 山間部から平野部に至る、線形の良い、交通量が少なく、安易に高速走行が可能となる区間 |
| [偏差値の低い区間] | |
| 1) | 不特定箇所からの人や車両の進入が少ない沿道状況が良好な区間 |
| 2) | 山間部における未改良で低速走行しかできない区間 |
B 偏差値と量的説明変量(改良率、歩道設置率、混雑度、交差点密度)との関係
偏差値と量的説明変量における独立変数回帰分析を行った結果は、次の相関図のとおりとなった。同図から次のことが推測される。
| 1) | 改良率の向上に伴う偏差値の下降傾向が見られない。これは、改良済みであれば高速走行が可能となるため、重大事故に直結する可能性が高いと考えられる。 |
| 2) | 歩道設置率の向上に伴う偏差値の下降傾向は見られない。これは、事故類型において、車道通行中の事故より、道路横断中の事故が多いためと考えられる。 |
| 3) | 混雑度の上昇に伴い偏差値の下降傾向が若干見られる。これは、混雑度が上昇すれば、走行速度が低下するためと考えられる。 |
以上のことから、香川県の交通事故が多い理由の一つとして次のことが推測できる。
交通事故は、沿道状況とそこを通過するドライバーの心理状態が大きく影響していると思われる。本県は、可住地面積比率が高い上に都市間距離が短く道路沿線に住居が集合するなど、ドライバーにとって不特定箇所からの進入交通によるストレスのかかる走行区間が多い。そのため、事故率が高いと考えられる。
ア 公共交通機関の利用状況

県民一人当たりのJR利用者数は27位、民鉄の利用者数は17位、乗合バスの利用者数は46位と公共交通機関の利用率が低い。
イ 公共交通機関の利用の推移

JRについては、昭和63年に瀬戸大橋線が開通し、利用者数が増加したが、その後横ばい傾向にある。民間鉄道については、平成3年以降、減少傾向にある。乗合バスについては、昭和58年以降、毎年減少しており、平成9年の利用者は昭和58年の37%までに落ち込んでいる。
ウ 平成2年の国勢調査結果にみる通勤、通学手段

平成2年度国勢調査報告「第6巻従業地・通学地集計結果」によると、香川県は全国平均に比べJR、私鉄、乗合バスの公共輸送機関の利用率が少なく、その反面、自家用車、オートバイ、自転車の利用率が高くなっている。(同調査は10年に1回実施)
| エ | 第2回香川中央都市圏パーソントリップ調査結果(平成元年〜3年にかけて三豊圏域、小豆郡、島しょう部を除く4市25町で調査、第1回目は昭和49年に実施)にみる交通特性 |
@ 地域間の人の動き
[各市町間の人の動き]

高松市を中心とした人の動きが圧倒的に多くなっている。また、丸亀市を中心とした人の動きも多くなっているが、全体的には、高松一極集中的な様相を示している。
[目的別にみた人の動き]

通勤・業務目的での人の動きが多い。
A 代表交通手段
[代表交通手段構成]

代表交通手段の構成は、都市圏全体で徒歩21.6%、自転車20.3%、二輪車6.1%、乗用車37.8%、貨物車7.5%、路線バス1.4%、鉄道3.7%、となっている。昭和49年の第1回調査と比較すると、乗用車の利用率が増大している反面、徒歩及びバス・鉄道の利用率が減少している。
[代表交通手段別に見た人の動き]

自動車での人の動きが圧倒的に多い。
B 時間に着目した人の動き



出発時刻の朝のピークは通勤・通学目的が集中する午前7時台である。夕方のピークは帰宅目的の多い午後5時台となっている。
以上から本県は自動車依存型の交通特性を有していることがうかがえる。これは帰宅時間帯(16時から20時)の死亡事故の発生割合が高いなど、香川県の交通死亡事故多発要因の大きな要素を占めているものと推測される。
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香川県の交通死亡事故多発要因分析のまとめ
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