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産地情報

オリーブハマチ

瀬戸内育ちのハマチに、オリーブ葉を与え、奇跡の味が生まれた

香川県産ミニトウガンを生産している北條さん
団体名 香川県かん水養殖漁業共同組合
担当:岡谷 穣二さん
団体所在地 高松市北浜町8-25
TEL番号 087-825-0355
生産者名 有限会社島野養魚
嶋野 文太さん
出まわり時期
9月〜1月
生産者おすすめの食べ方
旨味と甘味を堪能できる刺身がおすすめ。
火を通すことで甘味が増す塩焼き、照焼き
しゃぶしゃぶ鍋、切身にマヨネーズをかけ、卓上バーナーで表面を炙るオリーブハマチのマヨ焼きは、子ども達におすすめ。
卓上バーナーがなければ魚グリルかトースターで焦げ目を付けるやり方でもOK。
購入できる場所
関東、関西、県内小売店等

 オリーブハマチとは、抗酸化作用の強いポリフェノールの一種を含むオリーブ葉粉末※を加えたエサを、2週間以上与えた養殖ハマチです。刺身で食べるとおいしさがよく分かります。旨味のある脂が口に広がり、後を引くうまさに感動します。例年9月15日から出荷が始まり、翌年の1月上旬まで店先に並びます。中でも秋から冬にかけてのオリーブハマチは、一番脂がのり、「奇跡の味」なんだそう。

 ハマチとオリーブをめぐる物語の始まりは、2008年(平成20年)、オリーブ植栽100周年、ハマチ養殖発祥80周年を迎えるにあたり、節目の事業として「オリーブ」と「ハマチ」を掛け合わせるアイデアが出されたことがきっかけでした。ポリフェノールの一種を豊富に含むオリーブの葉が、どのようにハマチに影響するか3000匹の養殖試験が2007年(平成19年)に始まりました。

 オリーブ葉粉末を与えたものと、与えていないものと、データを比較しました。試験段階から風味、魚独特の臭み、血合い部分の変化等、違いがはっきりと出て、関係者はこのハマチ養殖は成功すると確信したそうです。

 翌年から本格的に販売を開始し、試食会等広報活動を積極的にした結果、消費者の間に評判が広がり、2010年(平成22年)は、爆発的にヒット。出荷が始まった段階で買付けの予約がうまってしまったほどでした。一度食べた方はそのおいしさに感動し手が伸びるとあって、オリーブハマチの消費量は年々増えています。これに応えるため、嶋野さんの養殖場では、毎年増産が続いており、今年(平成23年)は、3万匹超の出荷を予定しています。

 オリーブハマチは香川県内でほとんど消費されており、一部、出荷している関東、関西でも人気が高いようです。また、東北や北陸の人はハマチをよく食べるそうで、嶋野さんは、将来、関東よりさらに東方面への出荷も視野に入れています。最終的に30、40万匹を目標にしていて、たくさんの人にこの奇跡のハマチを食べてもらいたいと考えています。

※オリーブ葉には、抗酸化作用の強いポリフェノールの一種「オレウロペイン」が豊富に含まれています。葉乾燥重量の5〜20%が「オレウロペイン」です。

オリーブハマチを出荷 ■徹底管理の下、オリーブハマチを出荷
オリーブハマチが好評を得ているのは、その味の良さあります。新鮮なオイルを思わせる旨味、甘味のバランスが良く、試食会に参加した方々からも評判は上々でした。嶋野さんによると、もともと味にクセのあるハマチに、最適なエサを与え、環境を整えることにより、天然物をはるかにしのぐ味が生まれるのだそうです。

オリーブハマチ ■体の中心に走る、金色のラインが目印
この特別なエサを与えたオリーブハマチは、体の中心に金色のラインが現れ、背中は深い緑色をし、輝く色つやがあります。切身にすると透明感があり、脂がよくのっているので虹色のような、やや紫がかったつやが特徴です。
香川県では、脂ののり具合と旨味、甘味の調和がとれた、4キロほどのハマチがよく売れています。また関東では、脂ののりがしっかり味わえる5キロのものが好まれるそうです。呼び名も寒ブリになり、刺身はしょうゆにつけると脂がさっと広がるほどたっぷりのり、深みのある味が楽しめます。

さらにおいしくなる方法 ■嶋野さん直伝!さらにおいしくなる方法
シメてから2日目のオリーブハマチは甘味が増し、刺身でいただくと大変おいしいそう。小売店で販売されているものは、シメた当日のものが売られています。刺身状になっている切身は当日中にいただいてください。短冊を購入したら、トレーからラップに移し、ラップをさらに2重に巻き、冷蔵庫へ。翌日刺身で味わうと「めちゃくちゃ甘い」そうです。
塩焼き、照焼きなら、たくさん買って焼魚用サイズに切り分け、ラップを2重にしっかり巻き、冷凍しておくとよいとのこと。また、刺身にマヨネーズを付けて、卓上バーナーで炙り焼きした「マヨ焼き」が、嶋野さんの子ども達に人気なんだそう。
他にも薄切りにした刺身をさっとくぐらして食べるしゃぶしゃぶ鍋もおすすめ。おろし大根の入ったポン酢につけて食べると大変美味です。火を通すとほぐれやすくなり、脂ののったブリの香りがします。箸で身を押すと、脂がじわ〜と染み出し、刺身とはまた違った食感と旨味が楽しめます。

出世魚のハマチ ■呼び名が変わる出世魚のハマチ
ハマチは、平成7年(1995年)に、香川県の県魚に選定された出世魚です。香川では成長と共に呼び名が変わり、モジャコ〜ツバス〜ハマチ〜ブリと呼ばれます。関東では大きさに関わらず、ブリや寒ブリと呼ばれているようです。ちなみにカンパチはハマチと別の種類なのでハマチの出世魚ではありません。

作業内容
技術の高い県内養殖業者 ■技術の高い養殖業者の技をいかして
9月15日〜1月上旬まで出荷できるよう計画をたてています。大分県あたりで採取した天然のモジャコ(稚魚)を、愛媛や長崎の業者が養殖し、4〜5月頃に1〜2キロほどに成長した稚魚を購入します。5〜6ヶ月ほどかけ、ベストな状態に仕上げていくのが、県内養殖業者のすばらしい腕の見せどころ。
オリーブハマチは4キロほどまで成長すると出荷を迎えます。10月上旬の海水温は25度ほどで、徐々に下がっていき、1月上旬には12度ほどになります。この時期に出荷されるものは、ますます脂がのり、おいしさが増していきます。

県民の胃袋へ ■朝6時のせりにかけられ、その日中に県民の胃袋へ
出荷先は主に香川県内です。出荷船がいけすに横付けされ、船倉にハマチが積み入れされていきます。積み込みが終わると高松市中央卸売市場へ船で向かいます。朝6時のせりにかけられ、当日中に県内小売店の店頭に並びます。

毎日計測 ■毎日計測し、記録をとる
嶋野さんは、常にベストなオリーブハマチを出荷するため、天候、水温、潮の調子、カロリーや脂値を示すC/P比を記録しています。記録を取ることにより、1匹の食べたエサの原価がいくらかかったか、水温と日照時間で何キロになっているか予想ができるようになり、その正確さは誤差100gほどだそうです。
また、毎年状況が変わる気候に対応し、エサの配合を割り出すことができるので、最高ものを出荷することができるのです。

細心の注意 ■管理には細心の注意を払う
おいしいハマチに育てるには、ストレスをかけないよう、健康管理に細心の注意を払っています。養殖で、苦労している点は、台風等の災害時、河口から茶色くにごった水が押し寄せたり、萱等の漂流物が入り、水が汚れてしまうことです。そうなると、ストレスを感じたハマチは食欲をなくしてしまうこともあるそう。
また、急激な水温の変化もハマチにとって大敵です。1日で1度海水温が下がるということは、ハマチにとって、人間でいうなれば、気温が10度下がることに匹敵するほど厳しい環境なのです。また、瀬戸内は時々赤潮災害にみまわれることもあり、養殖業者は毎年戦々恐々しています。

オリーブハマチのおいしさ ■オリーブハマチのおいしさを伝えたい
オリーブハマチ養殖の第一人者、嶋野さんには、取材の依頼が多く舞い込みます。オリーブハマチを育てている現場から、生産者のリアルな声を伝えることにより、消費者にオリーブハマチの良さが届くのではないかと考え、操業の合間をぬって取材に応じています。ぜひ、このおいしいハマチを味わってみて。