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五合ずし(ごんごずし)

五合ずし(ごんごずし)写真
伝承されてきた背景
 天福地原てんぷくちばら地区で伝承されている五合ずしは、5合のすし飯に金時豆を混ぜ、押し抜きの型にご飯がつぶれるくらいぎっしりと詰め、大きな油あげをのせて押し抜きます。でっぱなし(出始め)のいぐ芋(里芋)が上おきにとり合わされたのは、古くは人々にとって里芋が貴重な食品の一つであった証であろうと思われます。
 地神さん(社日)や春・秋のお祭りなどの直会なおらいの料理として、しょうゆ豆、こんにゃくの煮しめ、酢の物、豆腐汁などと共に供されるのです。五合ずし1個食べきってこそ「一人前の男」と言われたのは、農業が機械化される以前のことです。米俵一俵をヒョイとかつぎ、牛を使っても縄をなっても一人前以上の働きをした男性にのみ許された五合ずしであったのです。
 香南町内でも、集落により、五合ずし、三合ずし、二合ずしと大きさが異なり、すしの上おきや共に供される献立も少しずつ違うようです。三合ずしの集落では、各戸が米5合を持ち寄り、3合ですしを押し、残りを行事の費用に当てていたようです。
 麦めしにうどん粉(小麦粉)のだんご汁、漬物が常の日の食事であった昔、白米のおすしでの会食は、一年に何度もは口にできないごちそうでした。 頭屋とうやや手伝いの人は、腕によりをかけておいしく作り上げました。
 行事の持ち方や料理は、集落により違いがあり、時代により変わってきたようで、かきまぜずし、おにぎり、うどんを食べる集落もあります。

主な伝承地域
高松市香南町

材  料
五合用型2箱分
  • 米  1升(1.4kg)
  • 金時豆   1カップ(170g)
砂糖  約140g
塩  少々
  • 油あげ 1枚(三角形が2枚取れる大きさのもの)
A
だし(煮干し)汁 1カップ
砂糖 40g
みりん 小さじ2
しょう油(薄口、濃い口) 各小さじ1
  • 里芋(皮付き)  300g
B
だし(煮干し)汁 1カップ
しょう油(薄口)  小さじ1
酒  小さじ2
砂糖  25g
塩  小さじ1と1/2
ちりめんじゃこ 50g
酢 60cc
すしの合わせ酢
  • 酢  1カップ
  • 砂糖  240g
  • 塩  30g

作 り 方
(1)米は研いでざるにあげ30分位おく。
(2)米が炊きあがれば15分位蒸らす。
(3)(2)のご飯をはんぼう(すし桶)にとり、うちわであおぎながら、合わせ酢を回しかけ、混ぜ合わせる。
(4)油あげは湯をかけて油抜きをして、三角形に切り、Aで味付けする。
(5)里いもは皮をむき、塩小さじ1でもんで洗い流し、ぬめりをとる。Bのだし汁の中で、煮くずれさせないよう弱火で煮含める。
(6)ちりめんじゃこは、酢をかけ、やわらかくしておく。
(7)(3)のすし飯に味付けした金時豆(金時豆の煮方参照)を混ぜ合わせる。
(8)【型抜き】五合ずしの押し抜きの型にはらんを敷き、型の内側に酢をつけて、握ったすし飯を詰めていく。上おきに(4)の油揚げ、(6)のちりめんじゃこ、(5)の丸く6〜7mm厚さに薄切りした里芋を飾り、型抜きの上ぶたを軽く押しながら型枠を持ち上げる。
 残った里芋はすし飯の間にはさんでもよい。
※ 上おきの具は、味付けしいたけや人参、紅白の鳴門巻き、薄焼き卵、絹さや、いんげん豆などの季節の野菜をとり合わせたりもする。
  金時豆の煮方

(1)豆を洗って、3〜4倍の水に6時間から一晩浸しておく。
(2)(1)の豆を中火にかけ、3分位煮て、湯を捨てる。
(3)再び4倍の水を加え、中火以下で豆がやわらかくなるまで煮る。(40分〜1時間)
(4)豆がやわらかくなれば水を(豆ひたひたまで残して)捨て、砂糖を3回位に分けて入れ、塩少々を加えて甘煮にする。火を止めそのまま冷まし、味を含ませる。
(5)汁気を切って、すし飯に混ぜる。
※金時豆はすし飯に混ぜるところから、あまり軟らかく煮ると潰れるので気をつける。
※砂糖は好みで加減する。
※金時豆の代わりに黒豆を使う地域もある。
※すしに混ぜる金時豆の分量は、家庭や地域により、多少違いがある。

伝承一口メモ

 昔から使われている五合ずしの押し抜きの型を、現在は2段に切って、2合5勺ずつで押し抜いている土地もあります。同様に3合を1合5勺ずつにしている集落もあるようです。ちなみに五合ずしの型の大きさは、縦9.7cm、横9.7cm、高さ9cmです。現在は、高さ4.5cmのものを2段に重ねています。