四国の新幹線実現を目指して

様々な方の意見

今回の調査結果を御覧になった有識者などの御意見を紹介しています。

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大阪産業大学工学部教授 波床正敏(はとこまさとし)
[経歴]
京都大学工学部交通土木工学科卒業。同大学大学院工学研究科修了後、
(株)三菱総合研究所所員、大阪産業大学工学部准教授等を経て、2011年4月から現職。
新幹線の必要性について

日本で産業が発展している地域は、新幹線が整備されているところばかりである。

自然と人が来るわけではなくインフラの基礎条件を整える必要がある。例えば、中国地方と四国地方の場合,瀬戸内海を挟んで、高速道路や港湾など似たような条件の地域が多い。もし,産業を立地させようとすると、山陽新幹線があるのとないのを比べて、新幹線がある方にしようとなる。四国は基礎条件が揃っていない。

「多額の費用を投じて、瀬戸内海に3本も整備したのに、新幹線まで必要か。」という意見もあるが、三橋によってつながることにより、ようやく他の地域とスタートラインが同じになっただけである。

そのため、全国的なインフラの基礎条件は早期にそろえた方がよい。

新幹線導入の効果について

新幹線が導入されることにより、新幹線駅のある都市を中心とした都市圏が形成される。つまり、新幹線駅を中心に近代的都市圏が形成されるというのが活性化のイメージである。

新幹線が他所から人を連れてきて定住させるというよりは、集約効果が大きい。集約されることでこれまで人口密度が薄いと成り立たなかった大都市的な産業が成立する可能性が生まれる。新幹線の開通によって他の大都市圏と結ばれ、より広域的な地域圏を形成することで経済効率が高まり、新幹線のない地域と比較して相対的に発展するということである。

人口については、社会増があるかもしれないが、近年は人口が自然減少しているので絶対数は増加しない可能性がある。よく他の地域で「新幹線が来たのに人口が増えていないではないか」と言われているが、それでも新幹線駅のある都市の人口推移をみると他に比べて減少幅が小さいことがわかる。ということは新幹線の駅がない地域から駅がある地域に人が集まっているということだ。

国土強靭化について

四国の新幹線が整備されれば、山陽新幹線が地震で倒壊した場合の代替的役割、あるいは、老朽化している在来線に対する強靭化が期待される。また,四国の新幹線沿線都市が他地域の都市の機能代替地としても選択肢に入りうる.

特に、四国の場合、在来線が明治〜大正時代に建設されたままで古いインフラが多いため、自然災害への耐性が低い可能性がある。そのため、抜本的に解決しようとすると、例えば川沿いの曲がりくねった線路を通過するのではなくトンネルを掘りなおした方が良い。掘りなおすならスピードアップした方がよい。強靭化は強靭化でも他所は二重化にする強靭化だが、これは古いのを作り直す強靭化で視点がやや違う。そして可能なら経路が違う路線があった方がよい。

ものは考え方であるが、堤防を作っても直接的な経済効果はないが新幹線は経済効果がある。単純な防災施設は利益を生まないが、新幹線は日々の利益を出しながら緊急時には従来のインフラでは発揮できなかった防災効果を発揮できる。

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