その昔、中国の長安の都から日本の奈良や京都への海路は海のシルクロードであった。瀬戸内海は文化を伝授して行く大切な役割を担い、交流と創造の風土は人々に多くの恩恵をもたらしてきた。戦争や高度成長期の開発などの大波にもまれ、時代とともに表情を変えつつも、豊穣の海でありつづけ、今も「やすらぎ」や「ゆとり」を与えてくれる。
瀬戸内海は世界に誇れる、たぐいまれな多島海である。静かな海面、点在する多くの島々、白砂青松の浜、段々畑などの親しみ深い景観と豊かな自然が息づいている。昭和9年に日本で最初の国立公園として指定され、今年は、70周年を迎えている。
瀬戸内海国立公園は、国内最大規模の国立公園である。しかし、この70年間に、工業用地、港湾施設、住宅用地などを確保するため沿岸部が次々と埋め立てられ、一部の島では無残に山が削り取られ、産業廃棄物が投棄された。多くの人々が暮らす国立公園は、親しみやすさゆえに人の手も入りやすい二面性をはらんでいる。
瀬戸内海の景観や豊かな自然、 そこではぐくまれた歴史や文化などは、貴重な財産であり、次の世代に引き継いでいかなければならない。自然と暮らしが調和する地域づくりが求められている。島々では空家の活用や特色ある地域づくりなどの取り組みが始まっている。今年サンポート高松のシンボルタワーがオープンし、秋には海の神様で親しまれる金刀比羅宮大遷座祭や全国豊かな海づくり大会が開催される。今年こそ豊かで元気な瀬戸内海新時代をスタートさせる好機である。
海のシルクロード・瀬戸内海
瀬戸内海国立公園指定70周年

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瀬戸内海を結ぶ交流拠点
「サンポート高松」
環瀬戸内交流圏の一大拠点として誕生した「サンポート高松」。この21世紀の水城は、日本三大水城の一つといわれる高松城と、四国の玄関口として栄えた高松港の歴史を礎に築かれた。それは、瀬戸内海に浮かぶ島々の交流拠点であり、情報発信基地でもある。
ここは、四国の行政と経済の中心を目指し、民間の施設と公的な設備が複合共存している。四国一の高さを誇る「高松シンボルタワー」は地上30階、ここから瀬戸内海の絶景を望むこともできる。また、島々を含めた香川県の観光情報センター「かがわプラザ」、情報通信交流館「e-とぴあ・かがわ」があり、瀬戸内海を訪ねる旅の第一歩にふさわしい。 |
| ▲サンポート高松 |

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島々の暮らしから未来への一歩を

本島
2002年の夏に総面積の約4分の1の山林が火事によって失われてしまった本島では、「第48回県植樹祭」をきっかけに、焼け跡にヤマモモやヤマザクラなどの植樹が始まった。緑の本島に戻すため島の人々を中心に県をあげて緑の復興が進められている。
女木島
春、展望台に上がると満開の桜が迎えてくれる女木島では、2002年から「女木島に桜を植える会」が発足。島の人々やボランティアの人々の手によって、3000本の桜を植樹する計画だ。いつの日か、高松港沖に桜色に浮かび上がる島の姿を見ることができる。
直島
県内の島々では小豆島に次ぐ人口を数える直島には、「ベネッセアイランド直島文化村」があり、島の自然と現代アートが見事な融合を見せる。民家を改修してアートを組み込んだ「家プロジェクト」にあわせ、島の人々も家を改修し花を飾り、アートのまちづくりに取り組んできた。その結果、島の魅力にひかれ、多くの人が訪れるようになり、県外からの移住者が空き家にカフェを開店するまでになっている。
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