特別展の詳しい情報

展示アーカイブ(特別展)

 ワンロード―現代アボリジニ・アートの世界

 オーストラリア西部の砂漠地帯を縦断する一本道。今から100年以上前、ヨーロッパから来た入植者が北部の牧草地から南部の食肉市場へと牛を移動させるために切り拓いたこの道で、先住民アボリジニは初めて「白人」と遭遇し、その生活を激変させることになります。
 2007年、この「キャニング牛追いルート」をめぐるひとつのプロジェクトが実施されました。それが「キャニング牛追いルート・プロジェクト」です。かつてそこに住んでいたアボリジニとその子孫であるアーティスト60名が、オーストラリア中央部各地からキャニング牛追いルートへと集まり、1850キロに及ぶその道を5週間にわたって旅したのです。旅の過程で、アーティストたちは物語に耳を傾け、絵を描き、それぞれの「カントリー」を表現しました。それは、多文化・多民族国家であるオーストラリアが国家プロジェクトとして実現したものであり、同時に、これまで「白人」の歴史としてしか語られてこなかったキャニング牛追いルートに眠るアボリジニの歴史を、アボリジニ自身が自ら辿り直す過程でもありました。
 「ワンロード―現代アボリジニ・アートの世界」展は、このプロジェクトの過程で描かれた絵画を中心に、映像、写真、オブジェ等によって構成される、美術と人類学を架橋する稀有でダイナミックなプロジェクトの記録です。また、日本ではまだ馴染みの少ないアボリジニ・アートの魅力を多様な角度から解き明かし、彼らの芸術や文化をより広い層の人々に知ってもらう機会となることでしょう。オーストラリア本国で22万人を動員し、大きな成功をおさめた本展が、1年をかけて日本全国を巡回、瀬戸内国際芸術祭開催中の香川県立ミュージアムにやってきます。
   
会期 平成28年8月6日(土)~9月19日(月・祝)
会場 特別展示室
展示構成 展覧会は、アボリジニ・アーティストたちが描くテーマに沿って、以下の6つのカテゴリーで構成され ます。それぞれのカテゴリーは、「カントリー」や「ドリーミング」といったアボリジニの人々の神話 や物語、歴史を示しています。
 Section1 聖なる水と砂漠の庭
 Section2 七人姉妹
 Section3 人食いのカントリー(失望の湖)
 Section4 ヘビを殺す
 Section5 砂漠を離れる
 Section6 現代アートとコミュニティ
展示点数 37点