報道発表資料 平成21年12月16日


特定商取引法に違反した換気扇フィルター
の訪問販売業者に業務停止命令(3か月)


 香川県は、平成21年12月16日付けで、不適正な取引行為により、換気扇フィルターの契約をさせていた下記事業者に対し、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第8条第1項に基づく業務停止命令を行いましたので、同条第2項に基づきその旨を公表します。
 なお、この命令は、訪問販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認められるため、特定商取引法第7条に基づく指示を経ずに行うものです。

(過去の処分歴はこちら
 
1 事業者の概要
事業者名 三和設備こと江元 武廣
所在地 大阪府大阪市北区兎我野町5−15−601
業務内容 換気扇フィルターの訪問販売


2 香川県における相談状況
 (H21.9〜H21.10)

・相談件数  11件
・相談状況
  当事者性別 男性1件 女性10件

  契約者年齢 24歳〜33歳
           
(20歳代7件、30歳代4件)
           平均28.1歳

・契約金額
  15,300円〜29,700円
  
平均20,500円 


3 業務停止命令の内容
 平成21年12月18日から平成22年3月17日までの間(3か月)、特定商取引法第2条第1項第1号に規定する訪問販売のうち、次の行為を停止すること。
(1) 訪問販売の契約の締結についてその勧誘をすること。
(2) 訪問販売にかかる契約の申込みを受けること。
(3) 訪問販売にかかる契約を締結すること。



4 法違反行為及び条例に規定する不当な取引行為の事実

(1)販売目的不明示(法第3条、条例規則別表一の項(1))
 勧誘に先立ち「換気扇フィルターの補充に来ました。」、「新築から1年後の点検です。」等と告げるだけで、事業者の名称及び勧誘目的である旨を明らかにしていない。
(2)不実告知(特定商取引法第6条第1項、条例規則別表一の項(2))
 勧誘に際し、建物の管理会社とは全く関係がなく、また、当該建物に初めて訪問するにもかかわらず、「換気扇フィルターの補充に来ました。」、「新築から1年後の点検です。」等と告げたり、消費者からの「管理会社の方ですか。」という質問に対し、「設備はうちの会社の担当なんです。」と回答するなど、あたかも三和設備が当該建物の設備管理を行っており、居住者は、同事業者が販売する換気扇フィルターを設置しなければならないかのように告げ勧誘している。また、「市販のフィルターを付けると、引火の可能性があるので危険だ。」、「○○会社などに清掃を頼むと3万円から4万円します。」など、同事業者が販売する換気扇フィルターを設置しなければ、危険性があり、また、換気扇の維持管理に多大な手間や経費がかかるかのように告げ勧誘しているが、これらの勧誘に正当な根拠はない。
(3)重要事項不告知(特定商取引法第6条第2項、条例規則別表一の項(2))
 商品代金について、「フィルターが1枚470円、2枚必要なので、2枚で900円ぐらいですね。」と説明し、取り付け後、領収書を交付する際になってはじめて、当該フィルターの設置には、フィルター枠や交換用フィルターの購入が必要で、代金は2万円ほどになることを告げるなど、勧誘に際し購入者の判断に影響を及ぼす重要な事項を告げていない。
(4)債務の不当遅延(特定商取引法第7条、条例規則別表四の項(4))
 クーリングオフに伴う代金の返還について、消費者からの催促にもかかわらず、2週間以上に亘り、正当な理由なく返金を遅延している。

5 勧誘事例
(1)  平成21年10月下旬の午後2時30分頃、消費者A宅のインターホンが鳴り、インターホン越しに男性が喋りかけてきたが、消費者Aははっきりと聞き取れなかった。しかし、「フィルターの点検」とか何とか聞こえたためドアを開けると、営業員Zが立っていた。 営業員Zは、「ガスレンジの換気扇に取り付けるフィルターの点検に来ました。今回は、新築から1年後の点検です。」と告げた。その際、営業員Zは、名刺は出さず、名前も名乗らなかった。
 次に営業員Zは、消費者Aに「新築の時、話聞かれてないですかね?」と聞き、消費者Aは、「いいえ、聞いていません。」と答えた。すると営業員Zが、「説明させていただきたいので5分か10分いいですか。」と言うので、消費者Aは、とりあえず家に上がってもらうことにした。 営業員Zは、「このフィルターを1軒1軒まわって付けてもらってるんです。」と告げたため、消費者Aは営業員Zに「管理会社から来たんですか?」と尋ねた。すると営業員Zは、「その会社は建物の管理で、設備はうちの会社の担当なんです。」と答えた。
  営業員Zは、消費者Aに「今、どうしてますか?」と尋ね、消費者Aは、「市販の紙を付けてます。」と答えた。すると、営業員Zは「市販のものを使用しないでください」という注意書きがあると思うんですが、読まれましたか?ちゃんと専用のものがあるんです。」と言った。その際、営業員Zは「市販のものは引火する可能性があるので危険だ。」という説明をした。 次に営業員Zは、「ちゃんとしたフィルターを付けないと掃除に手間が掛かる。」という説明をした。営業員Zは、「自分で掃除するなら、このネジを外して」など、もしフィルターを付けないと換気扇本体の部品を取り外して掃除しないといけないという趣旨の説明をした。 消費者Aは、営業員Zが管理会社の従業員だと思い込んでおり、付けなければいけないものなら付けようと考え、営業員Zに取り付けをお願いした。また交換用のフィルターについて、消費者Aは、営業員Zから「何年分にしますか?」と聞かれたため、1年分購入することにした。  しかし、営業員Zが帰った後、消費者Aは、こんな綿のようなフィルターが1万いくらというのも高すぎるし、営業員Zが領収書を書いていた時、他の人の領収書の日付が古かったことを思い出し、「1軒1軒まわって付けてもらってる」という話も怪しいと考えた。 翌日、消費者Aは、管理会社に電話で確認したところ、管理会社の担当者から「それは訪問販売なので返品してください。消費者センターにも一応連絡しておいてください。」という回答があったため、消費者センターへ相談のうえ、クーリングオフの手続きをした。しかし、2週間経過しても返金はされなかった。

 

 

(2)  平成21年10月下旬の午後4時半ごろ、消費者B宅のインターホンが鳴ったため、消費者Bが出ると、インターホン越しに、男性が「お世話になります。三和設備です。換気扇フィルターの補充にきました。」と告げた。消費者Bが、「意味がわからないのですが。」と言うと、その男性は、「フィルターは、まだありますか?」と聞いてきたため、消費者Bは「いえ、わかりません。」と答えたが、インターホン越しでは、用件がよくわからなかったため、玄関口に出ることにした。
 消費者Bがドアを開けると、玄関口には営業員Yが立っており、「1年に1回補充に来ているんですけど、このアパートが建ってからすぐ入っていますか。それとも途中入居ですか。」と消費者Bに質問した。消費者Bが「途中入居です。」と答えると、営業員Yは、「最初からいた方は補充になりますが、途中入居の方は、はじめましてになりますね。」と言った。
  消費者Bが営業員Yを換気扇のところに案内すると、営業員Yは、「換気扇のここを見てください。」と換気扇に張ってある「使用上のお願い」というシールを消費者Bに見せ、「市販のフィルターは使わないで下さいと書いてますよね。」と言った。消費者Bは、市販のフィルターを付けていたため、「ほんとですね。すみません。」と言って、そのフィルターを外した。営業員Yは、「市販のものは、ペットボトルの再生で出来ているから、もし火がついたときに燃えてしまうんです。」という説明をした。
 次に、営業員Yは、換気扇の手入れ方法について、「換気扇の網状の金属フィルターは2ヶ月に1回、奥のファン部分は、ネジをはずして分解し、3ヶ月に1回、中性洗剤につけてください。これをしないと奥のファン部分がドロドロになって大変なことになります。○○会社などにこの作業を頼んだら、大体3万円から4万円します。結局、皆さんこのような手入れはできないので、このフィルターを使用しているんですよ。」という説明をした。 また、営業員Yは、交換用フィルターについて「1枚470円で、1ヶ月か2ヶ月に1度交換して欲しい。」という説明をした。
  消費者Bは、「フィルターを付けるのであれば、この三和設備のものでないと駄目なんですね?」と質問すると、営業員Yは、「はい、市販のは駄目なんです。すいません。」と回答したため、消費者Bは「じゃこれにします。付けます。」と購入することを決めた。 その際、交換用のフィルターを何枚購入するかという話になり、消費者Bが「他の人は、どのくらい買ってますか。」と尋ねると、営業員Yは、「1年に1回の補充になりますが、訪問させていただいた時に在宅とも限らないので、皆さん2年から3年分をまとめて買われます。」答えた。消費者Bが「購入単位は1年単位ですか。」と聞くと、営業員Yは「はい、そうです。」と答えたため、消費者Bは、交換用フィルターを2年分購入することにした。 しかし、代金の請求時に、はじめて消費者Bは、枠が2枚必要で、営業員Yが告げた金額より多くの代金が必要であることを知り、驚いたが、「購入する。」と言ってしまった手前、仕方なく代金を支払うこととした。消費者Bは、代金をその場で現金で支払い、領収書を受け取ると、営業員Yは帰って行った。
  営業員Yが帰った後、何か変だなと思った消費者Bは、アパートの管理業者と義理の母親に相談した。管理会社からは、「そこのフィルターを使用しなければいけないということはありません。それは、悪質な訪問販売だと思うので、気をつけてください。」という回答があり、管理会社から業者名などの聞き取りを受けた。また、義理の母親からは、消費生活センターに相談するようアドバイスされたため、翌日、消費生活センターへ電話をし、クーリングオフの手続きをとった。 その後、11月上旬に業者が返金に来ることに決まったが、結局その日、業者は来なかった。

 

 

(3)  平成21年10月下旬の午後5時半頃、消費者C宅のインターホンが鳴り、消費者Cがドアを開けると、営業員Xが立っていた。営業員Xは、「1年に1回換気扇の点検をしていますが、その点検に来ました。点検をさせてください。」と告げた。 消費者Cが何のことだかわからずにいると、営業員Xが「入居したときに説明しませんでしたか?」と質問したため、消費者Cは、「私は聞いていませんけど、もしかしたら親が聞いてるかもしれません。」と答えた。すると営業員Xは、「多分その時にご説明させていただいてます。」と告げた。消費者Cは、営業員Xが「点検」と言ったため、営業員Xに家に上がってもらうことにした。
 消費者Cは、営業員Xのことを管理会社からの依頼で来ていると思ったため「管理会社の方ですか?」と聞くと、その営業員Xは、「そんな質問をされたのは、初めてです。」と答えた。消費者Cは、はぐらかされたことに、「おかしいな」とは思ったが、それ以上追求はしなかった。 営業員Xは、換気扇の横の「ご注意」というシールを指差して「これを読んでください。市販のは付けないで下さいと書いてるんです。」と言った。消費者Cは、市販のフィルターをつけていたため、「そうなんですか。すいません。」と謝った。営業員Xは、消費者Cが取り付けていたフィルターを外し、中を見て、「汚い。油汚れがたくさん付いている。これ、掃除されてますか?」と言った。消費者Cが、「してません。」と答えると、営業員Xは、奥のファンの汚れを確認して、「ここも汚れてます。ここも掃除しないと駄目なんです。」と言った。消費者Cが「ああ、そうなんですか。すみません。」と言うと、営業員Xは、「実は中を掃除しなくてもいいフィルターがあるんです。」と言った。 営業員Xは、自分の車から枠とフィルターを持ってきて、「これだったら良いんです。フィルターもこんなに厚いんです。」と、1センチぐらいあるフィルターの厚さを強調するなど、商品の説明をした。説明を聞いた消費者Cは、「結局どうしたらいいんですか?」と営業員Xに尋ねると、営業員Xは、「ここまで説明して、購入されない方はいませんでした。」と答えた。 そして、営業員Xは、「フィルターが1枚470円、2枚必要なので、2枚で900円ぐらいですね。」と言い、消費者Cは「900円ぐらいであれば、買ってもいい」と考え、取り付けを了承した。
 取り付け後、営業員Xは「専用枠がありまして、ここは2つ付けないといけないので、1個3,100円なので、6,200円になります。フィルターも2枚付けないといけないのですが、24枚と48枚のセットどっちにしますか。」と消費者Cに告げた。消費者Cは、営業員Xの説明から、フィルター2枚だけ購入すればよいと思い込んでいたため、「引っ越す予定もあるので。」と交換用フィルターの購入は断ろうとした。すると営業員Xは、「いや、いや、いや」と話を遮って、「ここの、うちの会員さんは、専用枠を買ってもらって、どんな家に引っ越したとしても無料でその換気扇に合う枠に交換します。どこのアパートやマンション、一軒家でも大丈夫ですので、ご連絡いただければ、お伺いして枠は無料で交換します。48枚のフィルターを買ってくれたら、その次再購入したときに、割り引きます。」と告げた。 結局、消費者Cは、専用枠と交換用フィルターを24枚入り購入することになり、その場で代金を支払い、領収書を受け取った。
  営業員Xが帰った直後、同じアパートに住んでいる同僚が消費者Cの家に遊びに来たので、消費者Cは、今回のことをその同僚に相談すると、「ありえんから、そんなの。」と言われた。そこで、消費者Cは、管理会社に確認したところ、管理会社は関与していないことが明らかになったため、消費生活センターに相談の上、クーリングオフの手続きを行った。