報道発表資料 平成20年3月27日


特定商取引法に違反した書籍の
訪問販売業者に業務停止命令(6か月)


 香川県は、本日、不適正な取引行為により、「三豊市名鑑」、「自治行政録」などの書籍(以下「書籍」という。)の契約をさせていた下記事業者に対し、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第8条第1項に基づく業務停止命令を行ったので、同条第2項に基づきその旨を公表します。
 なお、この命令は、訪問販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認められるため、特定商取引法第7条に基づく指示を経ずに行うもので、香川県としては5件目となり、業務停止期間6か月は、これまでの最長期間となります。
 また、当該事業者は、平成18年11月13日に香川県消費生活条例(以下「条例」という。)に基づく文書指導を行った後も不当な取引行為を行っていました。

(過去の処分歴はこちら
 
1 事業者の概要
事業者名 株式会社近代ジャーナル社
代表者名 代表取締役 加戸宏平
所在地 京都府京都市中京区壬生東高田町2-1-202
業務内容 書籍の販売など


2 香川県における相談状況
 (H16.11〜H20.2)

・相談件数  36件
        (H16年度7件、H17年度4件、H18年度7件、H19年度18件)
・契約者の状況
  契約者性別 契約者性別 男性31件、女性5件

  契約者年齢 29歳〜90歳
           
(20歳代1件、60歳代6件、70歳代15件、80歳代11件、90歳代2件)
           平均75.9歳
・契約金額
  3万円〜10万5千円
  平均6万4千円 

3 業務停止命令の内容
 平成20年3月29日(命令の翌々日)から平成20年9月28日までの間(6か月)、特定商取引法第2条第1項第1号に規定する訪問販売のうち、次の行為を停止すること。
(1) 訪問販売の契約の締結についてその勧誘をすること。
(2) 訪問販売にかかる契約の申込みを受けること。
(3) 訪問販売にかかる契約を締結すること。



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香川県における主な勧誘の手口
「市の合併の話を聞きに来ました。」、「○○町に名を残した人に取材をして回っている。」などと告げ訪問する。
契約者がよく知っている人物の原稿や申込書を見せて「この人たちも契約してくれている。」などと勧誘する。
クーリング・オフした消費者が申込金等の返金を何度督促しても、「担当者に連絡します。」、「担当者から連絡させます。」と言うだけで、会社としてクーリング・オフに対応しようとせず、数か月返金しない。また、現金書留による返金の際に「送料、経費差し引き23,000円送金致します。」などと書いた封書を同封し、受領済みの金銭の一部を返金しない。



5 法違反行為及び条例に規定する不当な取引行為の事実

(1)販売目的不明示(法第3条、条例規則別表一の項イ)
 「市の合併の話を聞きに来ました。」と告げるだけで、その勧誘に先立って、その相手方に対し、勧誘する目的である旨及び当該勧誘に係る商品の種類を明らかにしていない。
(2)債務履行の不当遅延及び一部拒否(特定商取引法第7条第1号)
 クーリング・オフを行った消費者に対し、受領済みの金銭の一部を送料や経費などの名目で差し引いた上で返金するなどクーリング・オフによって生ずる債務の一部の履行を拒否したり、返金を正当な理由なく不当に遅延したりしている。

6 勧誘事例
(1)  平成19年11月上旬、午前11時30分頃、株式会社近代ジャーナル社の営業員Aは、「三豊市名鑑を作成するので、準備をしています。取材させてください。」と告げて、消費者B宅を訪問した。消費者Bは、取材と言われたので了承し、自分の経歴を30分ぐらい話した。最後に営業員Aが、「写真をお借りできんやろうか。本ができるのが4月か5月頃で前金として25,000円必要。残金の46,400円と交換で本を渡す。」と告げた。
 消費者Bは、取材だと聞いていたので、お金が要るとは思ってもいなかった。それで、消費者Bが、「取材じゃないんですか。」と言うと、営業員Aは、「取材は取材やけど、経費がかかるんです。」と告げた。また、営業員Aは、以前に町会議員をやっていた2人の人の契約書を見せて、「この人たちも契約してくれている。」と告げた。その2人の人は、消費者Bのよく知っている人物であった。
 消費者Bは、今更断ることはできないと思い、仕方なく、契約書に署名し、25,000円を支払った。このような形で契約させられたことに納得の行かなかった消費者Bは、翌日クーリング・オフをした。
  しかし、クーリング・オフ後、3週間を経過しても返金されなかったので、消費者Bは同社営業所に電話をした。同社事務員Cは、「1週間から10日ぐらいで営業員Aの方から返金します。」と告げた。 平成19年12月上旬、消費者Bは、返金がなかったため、事務員Cに電話をし「期限を決めているのになぜ返金してくれないのか。」と言ったところ、事務員Cは、「営業員Aに連絡をとって、営業員Aから連絡させます。」と答えた。消費者Bは、「営業員Aのことばかり言うが、私は、営業員Aと契約したわけではない。会社として対応してもらわないと困る。」と言ったが、事務員Cは、同じことを繰り返すだけであった。 平成19年12月下旬、同社から現金書留封筒が届き、中には、23,000円、写真及び手紙が入っていた。手紙には、「送料、経費差し引き23,000円送金致します。」と書かれてあった。

(2)  平成19年10月中旬、午前11時頃、株式会社近代ジャーナル社の営業員Dは、「三豊市の合併の話を聞きに来ました。○○の代表者をされていましたね。○○の方でいろいろと活躍されてきたようで、長い間ご苦労さまでした。」と告げて消費者E宅を訪問した。消費者Eは、営業員Dが○○の件で訪問した思い込み、営業員Dのことを県の関係者の人だと早合点した。
 消費者Eは、○○のことや自分の経歴を1時間ぐらい話した。営業員Dが、「来年の4月か5月頃に出来上がるので、7万5千円必要です。」と言うので、消費者Eは、「県の方にはお世話になっているので、それぐらいなら協力してもいい。」と思い、契約し、前金2万5千円を支払った。契約後、消費者Eが、営業員Dに「県の方から来たんですか。」と尋ねると、営業員Dは「そういうわけではない。」と言うだけで、はっきりとしたことを言わずに口を濁した。
 また、営業員Dは、2万5千円の領収証を書くと、そそくさと逃げるように帰って行ったので、消費者Eは、その様子を見て、「これはおかしい。県の人があんな帰り方はしないだろう。」と思った。消費者Eは、その日にクーリング・オフのはがきを出した。
  しかし、何日経っても返金がなかったので、消費者Eは、同社営業所に電話をして督促したが、「返します。返します。」というだけで、いつまで経っても返金されなかった。平成19年12月中旬、同社から現金書留封筒が届き、中には、23,000円と手紙が入っていた。手紙には、「送料、経費差し引き23,000円送金致します。」と書かれてあった。

(3)  平成19年3月上旬、午前11時頃、株式会社近代ジャーナル社の営業員Fは 「町会議員や消防団員などで貢献して引いている人の資料を作ります。」と告げ、消費者G宅を訪問した。消費者Gは、営業員Fに「町会議員は何期やりましたか。」、「消防団にはいつ頃入りましたか。」などと経歴を聞かれた。また、「議員をやっていた時や消防の時の写真を貸してくれ。」と言われ、写真を1枚渡した。
 営業員Fは、「ひとつ自分の名誉にしたら、どうですか。こういう本はたくさん作っていますが、今回は町の方として作るから協力してほしい。」と告げた。さらに、「○○町が合併している関係上、農業委員をやった人を訪ねている。△△さんのところにも行ってきた。××さんの所もこれから行こうと思う。」と告げた。 消費者Gは、「町の方として作るから協力してほしい。」と言われ、また、「よく知っている△△さんが作るようであれば、自分も作ろう。」と思い、契約した。帰る間際になって、営業員Fが「前金として15,000円払ってください」と告げた。消費者Gは、5千円ぐらいのものだと思っていたので、びっくりした。
  しかし、今更断ることもできない状況だったので、仕方なく契約し、15,000円を支払った。また、営業員Fが、「5月ぐらいに本ができるので、その時に残額の27,000円を払ってくれ。」と言うので、消費者Gは、この時になって、初めて契約した本が42,000円もするものだとわかった。
 消費者Gは、契約の3日後にクーリング・オフした。平成19年4月中旬、同社から現金書留封筒が届き、中には、14,000円と手紙が入っていた。手紙には、「送料、経費差し引き14,000円送金致します。」と書かれてあった。平成19年4月下旬、消費者Gの妻は、同社に電話をして、同社の事務員に、「経費というのは、何ですか。」と尋ねたところ、事務員は、「私には、よくわかりませんが、書留料や原稿料ではないですか。」と答えた。