報道発表資料 平成19年11月15日


特定商取引法に違反した
浄水器の訪問販売業者を6府県で同時処分


 香川県は、本日、不適正な取引行為により、浄水器の契約をさせていた下記2事業者に対し、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第8条第1項に基づく業務停止命令を行ったので、同条第2項に基づきその旨を公表します。
 なお、この命令は、訪問販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認められるため、特定商取引法第7条に基づく指示を経ずに行うもので、香川県としては3件目となります。
 また、この処分は、近畿5府県(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県)と同時に行うものです。
(過去の処分歴はこちら

 
1 事業者の概要
事業者名 株式会社アーバンクリエイト
代表者名 代表取締役 平河 孝義
所在地 兵庫県尼崎市食満七丁目8番13号 
業務内容 浄水器の販売など
処分府県 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、香川県
   
 
事業者名 株式会社ライフサポート
代表者名 代表取締役 平河 孝義
所在地 兵庫県尼崎市食満六丁目17番10号 
業務内容 浄水器の販売など
処分府県 京都府、大阪府、兵庫県、香川県


2 香川県における相談状況

(1)6府県(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、香川県)の状況
  株式会社アーバンクリエイト 99件(H17.4.1〜H19.10.31)
  株式会社ライフサポート    4件(H19.4.1〜H19.10.31)
(2)香川県の状況 株式会社アーバンクリエイト
  ・相談件数  15件(H15.6.1〜H18.12.31)

  ・契約者の状況   
   契約者性別 男性12件、女性3件
   契約者年齢 19歳〜45歳 (19歳〜24歳14件、45歳1件)
           平均22.5歳
      
  ・契約金額 
   14万6千円〜35万4千円
    平均23万3千円 

※株式会社ライフサポートに関する相談はなかったが、別途被害者から事情を聴取した。

3 業務停止命令の内容
 平成19年11月16日(命令の翌日)から平成20年2月15日までの間(3か月)、特定商取引法第2条第1項第1号に規定する訪問販売のうち、次の行為を停止すること。
(1) 訪問販売の契約の締結についてその勧誘をすること。
(2) 訪問販売にかかる契約の申込みを受けること。
(3) 訪問販売にかかる契約を締結すること。



4 
香川県における主な勧誘の手口
(1)株式会社アーバンクリエイト
夜間に「お宅の水を調べさせてください。」などと1人住まいのマンション、アパートを対象に訪問する。
水道水をコップに取って試薬を入れ、色の変化を見せて、「水の中の汚れや溶け込んでいた化学物質に反応して色が変わった。こういう汚れた水を飲んでいていいんですか。」などと告げ、消費者を不安にさせる。
「この浄水器を使用すればコンビニで売っているミネラルウォーターのようになる。」などと勧誘する。
夜間に訪問し、長時間勧誘を続ける。
(2)株式会社ライフサポート
夜間に「水の検査をしてどんな状態か見たい。」などと1人住まいのマンション、アパートを対象に訪問する。
水道水をコップに取って試薬を入れ、色の変化を見せて、「水質が悪いと色が変わる」などと告げ、消費者を不安にさせたうえで、浄水器の説明をする。
夜間に訪問し、長時間勧誘を続ける。



5 法違反行為及び条例に規定する不当な取引行為の事実

(1)株式会社アーバンクリエイト
販売目的不明示(特定商取引法第3条、香川県消費生活条例第18条に基づく香川県消費生活条例施行規則(以下「条例規則」という。)別表一の項イ)
 浄水器の訪問販売をするに際し、「お宅の水を調べさせてください。」と告げるだけで、その勧誘に先立って、その相手方に対し、勧誘する目的である旨及び当該勧誘に係る商品の種類を明らかにしていない。
不実告知(特定商取引法第6条第1項、条例規則別表一の項ロ)
 浄水器を勧誘するに際し、「水道管の中で化学物質が水に溶け込むので、最初の方に出る水は飲まない方がいい。お湯を沸かすと、固形だった物質が溶けるので有害物質が倍増する。」と告げ、顧客が当該売買契約を必要とする事情に関する事項又は購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、不実のことを告げている。
 また、クーリングオフをした消費者に対し、「徳島で3時に仕事がある。仕事の合間に来ているので迷惑だ。迷惑金10万円と消費税5,000円をいただきます。」と告げ、浄水器の売買契約の解除を妨げるため、不実のことを告げている 。
迷惑勧誘 (特定商取引法第7条第3号に基づく特定商取引に関する法律施行規則第7条第1号)
 午後8時過ぎ頃、消費者宅を訪問し2時間以上勧誘しており、消費者に迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘している。
(2)株式会社ライフサポート
販売目的不明示(特定商取引法第3条、条例規則別表一の項イ)
 浄水器の訪問販売をするに際し、「水の検査をしてどんな状態か見たい。」と告げるだけで、その勧誘に先立って、その相手方に対し、勧誘する目的である旨及び当該勧誘に係る商品の種類を明らかにしていない。
不実告知(特定商取引法第6条第1項、条例規則別表一の項ロ)
 浄水器を勧誘するに際し、「ピンク色に変わったということは、水質が悪いということだ。」と告げ、顧客が当該売買契約を必要とする事情に関する事項又は購入者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、不実のことを告げている 。
威迫困惑(特定商取引法第6条第3項、条例規則別表一の項リ)
 「時間かかるんですか。時間かかるなら、いいです。」と告げた消費者に対し、「ふざけとんな!なんで初めにそんなん言わんのや。」と突然怒り出し、浄水器の売買契約を締結させるため、消費者を威迫して困惑させている。
迷惑勧誘 (特定商取引法第7条第3号に基づく特定商取引に関する法律施行規則第7条第1号)
 午後9時30分頃、消費者宅を訪問し勧誘しており、消費者に迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘している。

6 勧誘事例
(1)株式会社アーバンクリエイト
 平成18年12月下旬の午後8時過ぎころ、株式会社アーバンクリエイトの営業員A、同社営業員B及び同社営業員Cが「お宅の水を調べさせてください。」などと告げ、個人D宅を訪問した。個人Dは、部屋が散らかっていたので、「ちょっと困ります。」と言って断ったが、「まあ、とにかく入らせてください。」と言って、営業員3人は部屋の中に入った。 営業員Aは、「アパートの水はどれだけゴミや化学物質が入っているか分からない。」と告げ、「検査をする。」と言って流しにあったコップに水道の水を入れ、何か試薬のような白っぽい粉のような物を入れた。試薬を入れるとすぐに水がピンク色に変わった。
 営業員Aは、「こうやってピンク色に変わるというのは、水の中の汚れや溶け込んでいた化学物質に反応して色が変わった。」と告げ、いろいろな表とか写真も見せた。さらに、営業員Aは、「水道管の中で化学物質が水に溶け込むので、最初の方に出る水は飲まない方がいい。お湯を沸かすと、固形だった物質が溶けるので有害物質が倍増する。」などと告げ、水道水をそのまま使うことがどれくらい危険であるかを説明した。個人Dは水には無頓着だったので、そんなことを聞かされ、不安になった。
 すると、営業員Aは、浄水器の説明を始め、「浄水器をつけると水をろ過しておいしい水にしてくれる。」と言ってパンフレットを見せ、「これは国かどこかの承認を取っているもので、近所の人も使っている。香川県でもごひいきにしてもらっている。効果は2,3か月経たないと分からないが、有害物質が排出されるので健康になる。」などと説明した。
 営業員Aが携帯電話でどこかに電話した後、しばらくして同社営業員Eがやってきて浄水器を部屋の中に運び込んた。営業員Aは、「キャンペーンが今日までで、22万円のものが5万円引きで17万円になるので、今日買うとすごく得になる。」と勧誘したが、個人Dは返事を渋った。すると、営業員Aが、「こういう汚れた水を飲んでいていいんですか。」と言うので、個人Dは、断る理由が見つからなくなり契約した。しかし、個人Dは、契約書に名前を書くまでに、あまりにも高いので、「高いから買えない。」と断ったが、営業員Aに「2年くらいで40回の分割にすれば月々3,000円位だ。アルバイトをして捻出したら」と言われ、押し切られた。営業員たちが帰っていったのは、午後10時を過ぎていた。
 しかし、個人Dは、「とても払えない。」と思い、翌日、クーリングオフの葉書を出した。するとしばらくして営業員Aから「クーリングオフの葉書が届いたので聞きたいが、契約の時に同意したじゃないですか。」と怒った口調で電話があったが、個人Dは「返却したい。」ときっぱり断り、浄水器は後日引取りに来ることになった。
 4日後の昼ごろ、営業員Aと営業員Bが個人D宅を訪問した。営業員Aが、「徳島で3時に仕事がある。仕事の合間に来ているので迷惑だ。迷惑金10万円と消費税5,000円をいただきます。」と告げたので、個人Dは、急に10万円と言われ困り、「後日では駄目ですか。」と尋ねた。すると営業員Aが、「駄目です。もし払えないなら返却するとは言うな。」と怒った口調で言った後、「3時に仕事があるから、早く決めよ。」と急かすので、個人Dは、仕方なく「銀行にあるんです。」と答えた。
 すると、営業員Aに「銀行に行くので車に乗れ。」と言われ、個人Dは、車で近くの銀行まで連れて行かれた。営業員Aが「待ってるから。」と言うので、個人Dは、一人でATMに行き、10万5千円をおろした。個人Dは、アパートに戻り、部屋で10万5千円を渡した。個人Dが「領収書ください。」と言ったが、営業員Aは「領収書は持っていません。」と告げ、領収書を渡さなかった。
 個人Dが「クーリングオフは迷惑料が要るんですか。」と尋ねると、営業員Aは「浄水器の中には水が溜まっているのでフィルターが劣化するんです。だからフィルターは消耗品に当たりクーリングオフの対象外になります。迷惑料は、迷惑しているんだから当然要ります。そんなこと言うんだったら後で訴えられても困るので、契約書は持って帰る。」と言って、契約書やパンフレットを持って帰った。
  さらに、営業員Aは、個人Dが携帯電話に入れていた販売員Aの電話番号を「見ているから目の前で消せ。」と言うので、個人Dはその場で携帯のメモリーから消した。また、営業員Aは「これ以上やると営業妨害になるので訴えるよ。こっちもこれっきりで係わらないようにするから。そっちもこれ以上係わらないでくれ。」と告げて、浄水器を取り外した。帰る間際に営業員Aが、「蛇口につけるような簡易浄水器を置いていく。」と言うので、個人Dは、「それは要らない。」と断ったが、営業員Aは、「人の好意は受けておけ。」と言って、強引に置いていった 。

 平成19年2月下旬、午後2時頃、株式会社アーバンクリエイトの営業員Eは、「水の話があるので話を聞いてください。水道水を飲むと体にあまりよくないものが含まれていますよ。」と告げ、個人F宅を訪問した。 その15分後ぐらいに、同社営業員Gが、個人F宅を訪問し、コップに水道水を入れ、「これだけ化学物質が混ざっていますよ。塩素が混ざってますよ。」と告げた。営業員Gが「コンビニに置いてあるミネラルウォーターのボルヴィック飲んだことありますか。」と聞くので、個人Fは「あります。」と答えた。すると営業員Gは、「この浄水器を使うとボルヴィックと同じような水になります。」と告げた。
  個人Fは最初から浄水器など買うつもりは全くなく、またお金もなかったので、その旨を営業員Gに伝えた。すると営業員Gは、「ほなまぁ、とりあえず商品を契約して返してもらったらいいわ。」と告げて、勧誘を続けた。個人Fは、これっぽっちも買うつもりはなかったので、再度断った。しかし、営業員Gは、「とりあえず契約して返してくれたらいいから。」と勧誘を続けた。個人Fは、営業員Gがあまりにしつこいので、「契約書に署名してすぐに解約しよう。それですぐに帰ってもらおう。」と思って、契約書に署名した。クレジットの申込書の支払い口座欄については、営業員Gが「適当に書いておいてくれ。」というので、個人Fは、虚偽の口座情報を書いた 。

 平成19年2月中旬の午後4時頃、株式会社アーバンクリエイトの営業員Hは、「水質調査でほうぼう回らせてもらってるんです。調査させてください。」と告げ、個人I宅を訪問した。営業員Hは、家に上がり、コップに水道の水を入れ、そこに試薬のようなものを入れた。すると水の色が変化したので、営業員Hは「これだけ汚いんですよ。」と告げた。 営業員Hは、契約もしていないのに勝手に浄水器を取り付けて、「飲み比べてみてください。」と言った。営業員Hは、「お風呂にも浄水器をつけた方がいい。今だったらふたつセットでお得ですよ。」と告げて、浄水器を2個契約するように勧誘した。 個人Iは、住んでいるところの水質が日頃から気になっていたので、契約するかどうか迷った。営業員Hの勧誘が3時間ぐらい続いたので、個人Iは、途中で「早く帰ってくれないかな。契約しないと帰ってくれないのかな。」と思った。そのうち個人Iは、「さっさと契約して帰ってもらおう。」と思い、契約することにした。 しかし、個人Iは、契約書を見て、浄水器が1台20万円もするものだとわかり、驚いたが、「今更断ることもできないし、早く帰ってほしい。」と思い、契約書に署名した。支払いは、クレジット払いにし、分割払手数料が10万円以上になっていたが、その説明はなかった 。

 
(2)株式会社ライフサポート
 平成19年2月下旬の午後8時40分ころ、株式会社ライフサポートの営業員Aは、「水の検査をしてどんな状態か見たい。台所の蛇口いいですか。」と告げ、個人B宅を訪問した。個人Bは、「水の検査がしたい。」ということだったので、不審に思うことなく、了承した。営業員Aは、台所の蛇口をひねって水を出して、「水道水は、そんなにきれいじゃない。実験をするので担当者を呼ぶ。」と告げた後、携帯電話で同社営業員Cを呼び寄せた。営業員Cが来ると、営業員Aは入れ代りで帰って行った。
 営業員Cは、台所に行き、蛇口に浄水器を取り付け出し、取り付けの作業をしながら浄水器や水の話をした。営業員Cは、浄水器を取り付けた後、「水の検査をする。」と言って普通の水道水と、浄水器を通した水をコップに汲んで、白い粉のような検査薬を入れた。すると、すぐに水道水の方がピンク色になり、浄水器を通した方は色が変わらなかった。営業員Cは、「ピンク色に変わったということは、水質が悪いということだ。」と告げたが、個人Bは、興味がなかったので、気にしなかった。 個人Bは、「高いと思うんでええです。」と言って断った。すると、営業員Cは、「最初から買う気がないんやったら、なんで説明させたん。」と怒り出した。個人Bは、相手が怒っているので、その場を取り繕うために「そんなつもりはないですよ。すみません。」と言って謝った。しかし、営業員Cは同じようなことを言って個人Bを責めた。個人Bも腹が立ってきたので、「帰ってください。」と言った。すると営業員Cは、個人Bの携帯電話を取りあげ、個人Bが取り返そうとしているうちにもみ合いになり、営業員Cは個人Bを押し倒した。個人Bはどうしていいか分からないので、「どうしろってことですか。買えってことですか。」と言うと、営業員Cは、「そんなんだけじゃいかん。謝り方が悪い。」などと言った 。

 平成19年2月下旬、午後9時30分ごろ、株式会社ライフサポートの営業員Dは、ドアを叩いて「浄水器の説明に来ました。」と告げ、個人E宅を訪問した。個人Eは、「お金がないので、買えません。」と断ったが、営業員Dは、「買えなくても構わないので、水の説明をさせてください。台所まででいいので、入れてください。」と告げたが、個人Eは夜遅いことやドアをどんどんと叩かれ怖かったことから、断った。
 しかし、営業員Dは、「水を見ながらでないと説明できないので。」などと告げ、上がりこんで説明をした。営業員Dは、「もっと詳しい人がいる。」と言って、外に出た後、同社営業員Fを連れてきて、営業員Dは、帰って行った。営業員Fは、ダンボールに入った浄水器を持ってきた。営業員Fは、水道の水をコップに入れ、そこに粉状の試薬のようなものを入れた。すると水の色がピンク色と紫色の中間のような色に変わり、営業員Fは「これだけ水道の水は汚いんです。」といった意味のことを告げた。
 それから、営業員Fは、説明を始めようとしたが、個人Eは時計を見ると午後10時前だったので、「時間かかるんですか。時間かかるなら、いいです。」と言うと、営業員Fは、「ふざけとんな!なんで初めにそんなん言わんのや。」と突然怒り出した。
 個人Eは怖くなって、携帯電話で連絡をしようとすると、営業員Fが個人Eの携帯電話を折り曲げてしまった。営業員Fは、個人Eの胸ぐらをつかみ、「謝れ!」と言った。個人Eは、「すみません。」と言って謝った。しばらくして、営業員Fは帰って行った。