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生涯学習課・文化財

生涯学習の促進

香川県の生涯学習推進施策について
-家庭や地域の教育力を高める生涯学習推進の方向-
<香川県社会教育委員の会提言>(平成20年10月)

香川県社会教育委員の会の提言について

香川県社会教育委員の会とは

社会教育委員とは、教育委員会に対して社会教育に関する助言を行うために都道府県や市町村に置くことができる、と法律に定められています(社会教育法)。香川県では現在19名の委員が委嘱され、その活動が行われています。

提言の経緯

今回の社会教育委員の会による提言は、平成19年度からの約1年間にわたり、5回の全体会と作業部会での協議を経てまとめられたものです。平成20年10月20日、社会教育委員の会の会長から県教育長に提言書が渡され、翌21日の県教育委員会定例会において、その提言内容についての報告が行なわれています。

提言の背景

「生涯学習の理念」には、私たちが個人としても社会としても豊かに生きることができるような、生涯にわたって学び続けられる社会(生涯学習社会)を築こうとする想いが込められています。そこでは学校や家庭で行なわれる学習だけでなく、私たちが生きているあらゆる生活場面で行われるさまざまな学習が対象となります。

これまでの生涯学習は、趣味や教養のための学習、スポーツやレクリエーション等の活動など、時間的ゆとりのある個人の学習活動と考えられがちでした。そうした学習を通じて個人の生活が豊かになるのはとても大事なことですが、行政が限られた予算を使って推進すべきことは、より公益性の高いものに向けられることが必要です。

さて、便利さを追求する近年の社会づくりは、人間同士の関係がきわめて薄い中であっても、日々の生活を営んでいくことを可能にしました。そのような人間関係の希薄化は、家庭や地域社会の教育力の低下を招いた要因のひとつとなりました。今、未来を担う子どもたちが健やかに育つ環境を準備するためには、地域の大人同士が生涯学習等を通じて好ましい関係をつくっていくことが大切です。

こうした社会の課題に向き合うために、生涯学習の手法は有効なアプローチとなります。家庭や地域社会に向けて、県が有効な生涯学習推進施策を展開していくことが重要な課題であると考えています。今回の提言は、このような視点を背景に、香川県社会教育委員の会での議論を経てとりまとめられたものです。以下に、提言の概要をご紹介します。

香川県社会教育委員の会の提言の主な内容

社会の変化は予想を超える速さで進行し、教育をとりまく環境は大きく変化しています。かつて地域社会にあった人々のつながりが失われつつあり、人々の公共心も低下しているのではないかといわれています。

そのような中、そこに住む住民は、地域で互いに助け支え合える豊かな社会をつくることが必要です。そして精神的基盤に、公共の精神を持つことが大切です。住民自らが社会の責任ある担い手としての意識を持てるように、また当事者として地域課題に向き合い、学習活動を進め、課題解決につながる取り組みができるように、生涯学習・社会教育行政として支援していくことが必要です。

行政施策として生涯学習を推進するにあたっては、より公共性の高い分野、緊急性の求められる分野、地域特性を反映した分野の事業を洗い出し、必要な学習課題に優先順位をつけて取り組んでいく必要があります。

そもそも地域の教育力とは、地域住民の関係性の濃淡の結果といえます。同じ地域の住民が良好で緊密な関係であれば教育力は向上しますし、逆に希薄であれば教育力は低下します。その関係性は一朝一夕に築かれるものではなく、同じ目的に向かって活動をともにする中で生まれてくるものです。大人も子どもも地域における多様な活動への参加を通して、連帯感や達成感を味わいながら関係づくりが進められれば、自ずと地域の教育力が向上するのです。多くの大人や団体、施設が、子どもの育成のため関わり協力し、地域に合った取り組みを充実させ、情報交換や人的交流、成果の発信などを通して、子どもの育ちを支える地域をつくっていくことが求められます。

子どもの健やかな成長発達に家庭の役割が重要であることはいうまでもありません。しかし、子どもの問題行動を個々の家庭の責任に帰してしまうと前向きな解決にはつながりません。子育てを大切な社会機能と考え、多くの保護者が学び合うことのできる学習機会や、育児について悩みを打ち明けられるような居場所の提供など、社会全体として子育て中の家庭への深い理解と支援が必要です。そのためには、学校やPTAとの連携を効果的に進め、保護者同士の関係づくりができるよう支援することが大切になります。一方で、電話相談などの子育て相談の充実とともに、専門機関との連携により子育ての問題に早期に対応ができる体制づくりも求められます。

これからの生涯学習・社会教育は、「個人の学びの意欲」に応えることに加え、「社会的な必要性」を踏まえた学習活動を活性化し、新しい公共づくりに役立つことが求められているのです。