県教委では、新しい学習指導要領に示された各学年で学ぶべき基礎的・基本的な内容が定着しているかどうかをみるため、昨年秋に、小学校3年生から中学校3年生までの全ての児童生徒を対象に学習状況調査を実施しました。

 調査結果については、各市町教育委員会や各学校にお知らせをするほか、児童生徒にも、間違った問題を自分で確認したり、復習したりできるよう、それぞれの結果を掲載した個票を配布しました。

 各学校では、調査結果の活用についていろいろと工夫されていますが、今回紹介する事例も参考にさらに有効活用していただきたいと願っています。

【事例1】 「児童みんなに分かる授業」をするために

                   土庄町立土庄小学校

 本校では、児童一人一人の調査結果に基づき、各教科(国語、算数、理科)の授業の時間及び放課後を利用して個別指導を行い、基礎的・基本的な内容を確実に理解できるように補充的な指導をしました。

例えば、6年生の算数では、積や商を概数で見積もる問題につまずきがみられる児童が5割程度おり、他の問題に比べて正答率が低かったので、6年のまとめの小単元「計算と見積もり」において、習熟度別少人数授業を取り入れ復習をしました。基礎コースでは、問題を解くポイントを明確にし、繰り返し基礎的な問題を解くことを大切にしました。その後の確かめのテストでは、全員の児童が理解でき、目標に到達できました。

また、理科では、全校平均正答率が県平均正答率を上回ったものの、3教科の中では最も正答率が低かったので、補充的な指導とともに、児童が理科に対する関心を高め、主体的に実験に取り組めるように、理科準備室の実験器具を整備しました。さらに今年度は、昨年度以上に全学年において理科を専門としている教師がかかわった習熟度別少人数授業が展開できるように時間割編成を工夫しました。

このように本校では、学習状況調査の結果を、児童みんながもっている「勉強が分かりたい」という願い、教師がいつも胸に抱いている「児童みんなに分かる授業がしたい」という思いを実現するための手段として活用しています。つまり児童一人一人のつまずきを児童自身が自覚し、そのつまずきを克服する手段として、また教師一人一人の指導方法の反省・改善への道標として活用しています。



【事例2】 子ども主体の学習ができるようにするために

多度津町立多度津小学校

 本校では、平成14年度から算数科の学習指導法の改善について研究を進めています。学習状況調査は、この研究の成果を客観的にとらえる適切な資料として活用しています。昨年度の調査の結果によると、算数科の全学年の正答率は、全県の正答率より高くなっています。観点別正答率では、関心・意欲・態度と技能・表現は高く、思考・判断と知識・理解はやや低くなっています。これらのことから、本校の学習指導法の改善研究に自信を深めました。
 また、子どもたちが問題をつくり、一人一人の子どもがめあてを持って学習に取り組めるようにしており、問題解決にあたっては、個人で考え、次にペアやグル−プで考え合い、さらに全体でよりよい考えに仕上げるというように、小集団を核にした子ども主体の学習指導法の開発に努めています。少人数授業では、習熟度や興味・関心などに応じて、小集団を核にした学習指導をしています。

さらに、調査内容には、学習問題やノ−トの書き方指導に使えるものがあることから、教材として研究をし、子どもたちの思考・判断や知識・理解力を深めていきたいと考えています。




【事例3】 学習上の課題を明確に自覚させるために

三野町立三野津中学校

学習状況調査の結果は、個々の生徒へのきめ細かな指導に生かされなければなりません。

 そこで、まず、主任会で個票、解答用紙を、どのようにして生徒に返すかを話し合いました。自分の学習の状況が、どういった水準や傾向にあるのかを生徒一人一人にきちんと確認させるとともに、今後の学習上の課題を明確にさせるためには、ただ単に個票、解答用紙を返すだけではいけないのではないかといった共通理解を図りました。

 個票等を返す際には、学級担任が一人一人の生徒への教育相談の形態を取ることにしました。帰りの学活の時間及び放課後の時間を使って、それぞれの大問毎に見ていき、弱点や課題を把握させるとともに、日頃の授業中の取組や家庭学習の仕方などについても、生徒の実態に即して対応することができました。

 なお、教科の採点をした教科担任は、授業中に全体的な傾向や課題等についてコメントするとともに、本調査結果を自らの指導方法の改善にも生かすべく努めています。


【事例4】 学習指導の改善に活用するために

さぬき市立志度東中学校

 学習状況調査は、学習指導の改善、評価及び年間指導計画の立案に有効に活用できます。

個票やSP表は、定期テストや小テストと併用することで、一人一人の理解の程度を的確に把握することができ、個に応じた助言や指導を効果的に進める手だてとなりました。正答率を分析することで、生徒が理解しにくい学習内容等を把握し、より効果的な少人数授業や習熟度別学習のあり方を再考しました。

さらに、3学年にわたって正答率の低い単元等を明確にし、3年間を見通した年間指導計画の立案に生かしたり、 特に、正答率の低い内容については、補充学習の時間やワークシートに復習コーナーを設け、定着を図りました。また、顕著な成績の変動が見られた生徒には、個人面談を行うなかで、生徒理解を深め、その後の指導にも生かしました。

調査結果は、観点別評価の基となる客観的なデータとしてとらえ、各問題を観点別に示した基礎・基本の評価規準表は、テスト問題の作成や絶対評価に役立てています。保護者に対しては、全体的な傾向を学校だより等で周知してきましたが、今年度は教科だよりや学年懇談会等を通じて周知することを考えています。