平成21年度 豊かな体験活動推進事業
丸亀市立垂水小学校
住所
丸亀市垂水町1408番地
連絡
0877-28-7551
宿泊先
愛媛県上浮穴郡久万高原町、西条市(9月8日〜11日)

取組の概要及び成果等
(1)取組の概要
― 自然・人・自分に  感動(かんどう)・感激(かんげき)・感謝(かんしゃ) ―
(2)特に工夫や配慮をした事項
 主に自然や勤労生産に関わる体験を関係機関職員や地元の方の指導・支援を受け、実践し、それぞれの地域で自然と共生しながら生活することの大切さを学ぶことを主なねらいとする体験活動を行った。
@
土器川について調べよう 
  ア 学習の概要
実施日  平成21年5月1日(金)               5単位時間(学校行事)
場 所  土器川生物公園
参加者  4年生児童 79名  引率教員 3名
目 的 
  ・ 垂水町の自然の一つである土器川の自然について理解する。
・ 土器川生物公園の水生生物について調査する。
・ 垂水町の米づくりやたまねぎづくりと土器川のつながりについて知る。

  イ 事 前(児童への指導・保護者との連携・受入地域関係者との連絡調整・情報収集等)
土器川についての資料調査
副読本「あすへのびる丸亀」をもとに土器川について調べ学習をした。
土器川についての話し合い
  土器川の自然や水質、生き物・植物等について知っていることを話し合い、土器川探検についての視点づくりをした。

  ウ 主な活動

土器川での水生生物・植物調査
(※ 夏休み中には、土器川出張所主催の「水生生物による水質調査」に参加)
国土交通省土器川出張所職員の説明と指導を受け、土器川生物公園で土器川の水質と生き物・植物等について調査した。

  エ 事 後(児童への指導・保護者との連携・受入地域関係者との連絡調整・情報収集等)

水のきれいさ、生き物・植物等について、分かったことを絵図にして発表し合った。
A 愛媛県久万高原町で山地のくらしを体験しよう 
  ア 学習の概要
実施日  平成21年9月8日(火)〜10日(木)  18単位時間(国語・社会・理科・総合的な学習の時間)
場 所  愛媛県上浮穴郡久万高原町
参加者  4年生児童 79名  引率教員 7名
目 的 
  ・ 山地農村の仕事やくらしについて話を聞いたり、体験したりして、産業と文化について理解する。
・ 久万高原町の人々との交流で、人々の生き方を学ぶ。
・ 久万高原町の活動でお世話になった方々に感謝の気持ちを育てる。

  イ 事 前
久万高原町について、パンフレットからイメージマップにまとめて交流への意欲をもたせた。
夏休み中に久万高原町について、インターネットや本などを使って調べ、新聞づくりをさせることで、見学・体験活動の見通しをもたせた。
夏休みの前の懇談や説明会で、保護者に活動を説明し、夏休みの調べを親子でしたり、調べたことを話し合ったりして意識を継続させるように呼びかけた。
情報収集や受入地域関係者等との細かい連絡調整は、現職教育主任や学年主任を中心に進めた。特に,久万高原町の森林林業課職員とはよく連絡を取り合った。

  ウ 主な活動
アマゴのつかみ取りと面河渓谷内の川遊び
プールに入ったアマゴをつかみ取りし、それを串焼きにして味わい、鉄砲石川で魚とりや川遊びを実施した。
天体観察
美しく見える夏の星座を観察する予定であったが、1日目は曇天だったため,プラネタリウムで星座についての勉強をした。2日目は晴天だったため、望遠鏡で月や星座がよく見えた。
木の伐採・下草刈体験
林業に携わる方からの林業についての説明を聞いた後,木(ヒノキ)を実際に切り倒し、一部のグループは大きなカマを使っての下草刈りを体験した。切り倒したヒノキは輪切りにして、コースター作りも行った。そのコースターは,後日,きれいに仕上げて役場の方が送付してくれた。
りんごの収穫体験
りんごの収穫を体験し、育て方について農家の方のお話を聞き、高原野菜の収穫も行った。
民宿の人の講話
夕食の後、民宿の人から苦労話や思いを聞く機会を設けた。宿泊客へのやさしい心に触れ、人の生き方を学んだ。

  エ 事 後
児童は、お世話になった方にお礼の手紙を書き、感謝の気持ちを伝えた。
体験したことは、学年団だよりを通じて保護者に知らせた。
人権集会で、宿泊学習で出会った人々への感謝の気持ちを劇にして、全校生・保護者に発表した。
授業参観で活動の様子を新聞や写真入りの絵図にまとめ、報告会を行った。
3年生に、劇・ポスターセッション・クイズ等の方法に分かれ、活動報告会を開いた。
B 愛媛県西条市の農家のくらしと水との関係を調べよう
  ア 学習の概要
実施日  平成21年9月10日(木)・11日(金)    8単位時間(総合的な学習の時間)
場 所  愛媛県西条市丹原町田滝,西条市内  
参加者  4年生児童 79名  引率教員 7名
目 的 
  ・ 農家の仕事やくらしについて話を聞いたり、体験したりして、産業と文化について理解する。
・ 西条市の人々との交流で、人々の生き方を学ぶ。
・ 西条市の湧き水と人々のくらしとの関係について調べる。
・ 西条市の活動でお世話になった方々に感謝の気持ちを育てる。

  イ 事 前
西条市について、パンフレットからイメージマップにまとめて交流への意欲をもたせた。
夏休み中に西条市について,インターネットや本などを使って調べ、新聞づくりをさせることで、見学・体験活動の見通しをもたせた。
情報収集や受入地域関係者等との細かい連絡調整は、現職教育主任や学年主任を中心に進めた。特に、西条市の担当職員は熱心で農家・農園と連携の上、FAXや電話連絡を取り合った。
子どもたちは自己紹介カードを作り、民泊先に送って、民泊の方にイメージをもっていただいた。

  ウ 主な活動
14軒の農家・農園に別れて泊まり、農業と食事づくりの手伝いをし、農家の生活を体験する。
西条市の水めぐりをして、水と生活のつながりなどを理解させる。

  エ 事 後
児童は、お世話になった方にお礼の手紙を書き、感謝の気持ちを伝えた。
体験したことは学年団だよりを通じて保護者に知らせた。
人権集会で、宿泊学習で出会った人々への感謝の気持ちを劇にして、全校生・保護者に発表した。
授業参観で活動の様子を新聞や写真入りの絵図にまとめ、報告会を行った。
発 展(トピック体験の実施)
12月になって西条市役所職員より、「中下旬で農家代表数人が干し柿づくりに行きたい要望がある」との連絡を受け、急きょ(12月18日)干し柿づくりの体験をすることになった。
C 土器川中流域の平地のくらしを体験しよう 
  ア 学習の概要
実施日  平成21年9月28日(月)・30日(水)        各2単位時間(社会)
場 所  香川県丸亀市飯山町 JA飯南出荷場
参加者  4年生児童 28日; 40名  30日; 39名  引率教員 各2名
目 的 
  ・ 合併後の丸亀市の産業とくらしの様子を調べ、自分たちの住む丸亀市についての学習を深める。
・ 垂水地区のくらしと比較することにより、同じ土器川中流域の平地のくらしでも少し様子がちがうことに気づく。 
・ いろいろな自然環境に合わせたくらし方や工夫があることを知る。       
・ 見学でお世話になる多くの方が、自分たちのために世話をしてくださることに対して感謝する気持ちを育てる。

  イ 事 前
綾歌・飯山町について、パンフレットや社会科の副読本を使って調べ、見学・体験活動に主体的に関わらせた。
自分たちの調べてみたいこと、質問したいことをはっきりさせ、意欲をもって活動させた。
発 展(トピック単元)
国土交通省の職員による「地球の水」についての話を聞き,水の役割・大切さを知る。

  ウ 主な活動
綾歌・飯山町の菊づくり
JA飯南出荷場の職員による菊づくりの説明と菊の選別・出荷を見学した。

  エ 事 後
JA飯南出荷場へのお礼の手紙を書かせることで、感謝の気持ちを表現させた。
菊について分かったことを新聞で表現し、発表し合うことで理解や感動を共有した。
D 東かがわ市引田で海のくらしを体験しよう
    ア 学習の概要
実施日  平成21年10月2日(金)              6単位時間(学校行事)
場 所  香川県東かがわ市引田 体験学習館「マーレリッコ」
参加者  4年生児童 79名  引率教員 3名
目 的 
 
平地に暮らす垂水町の人々のくらし方と海辺の人々のくらし方を比べ、いろいろな自然環境に合わせたくらし方や工夫があることを知る。
人々に出会い、話を聞くことを通して、自然を守ろうとする気持ちや自然と共生しながら生活することの大切さなどを学ぶ。
体験・見学でお世話になる多くの方が自分たちのために世話をしてくださることに対して感謝する気持ちを育てる。

  イ 事 前
東かがわ市引田について、パンフレットや社会科の副読本から調べ、見学・体験活動に主体性をもたせるようにした。
自分たちの調べてみたいこと、質問したいことをはっきりさせ、意欲をもって活動させた。
受入地との連絡は、主に学年主任がしたが、時には旅行会社員を通して行ったりもした。

  ウ 主な活動
体験学習館の見学
体験学習館の展示物を見学し、ハマチ養殖について説明を聞いたり、VTRを見たりした。
ハマチの餌つけ体験
生簀で養殖しているハマチに餌をやる体験を行った。

  エ 事 後
児童は、お世話になった方にお礼の手紙を書き、感謝の気持ちを伝えた。
体験したことを体験記として文章にまとめた。また、学年団だよりで保護者に知らせた。
E

評価の工夫と指導の改善 
 それぞれの活動について、児童の経験や興味を事前調査するとともに活動の評価基準を作成して児童の行動やつぶやきなどを活動中に観察した。また,アンケートや感想・手紙などからも評価を行った。そして、児童の活動が価値あるものになっているか検討し、次への活動の修正計画へとつなげていった。
 児童・学校(職員)・受入地域関係者や保護者・地域から評価を集め、活動を総合的に評価し、活動の具体的改善策を探った。

(3)成果等
  @土器川について調べよう 
 
<4年生の愛媛県久万高原町・西条市の体験(3泊4日)アンケート結果から>

  A成果   
子どもたちは、3泊4日の宿泊体験に、特に西条市での民泊体験を一番喜んでいた。
また、西条市の農家・農園の人たちとの別れは、どちらも涙を流すほど感動的であった。
3泊とも、男女それぞれが大広間での宿泊、民宿、民泊と形を変えたことも連泊の楽しさを味わえたようである。
自然や地域の産業・生活・文化に触れ、地域の特性をうまく利用している人々のくらしに関心をもち、自然に合わせたくらし方に共感することができた。
児童が活動経験を繰り返すことによって、見学・視察・インタビューなどの段階の学習が上手く実行できるようになり、コミュニケーション能力が身についてきた。
多くの人々との触れ合いを深め、人々の温かい心に触れ、お世話になった方に感謝できる気持ちが育ってきた。特に、集会場前の丹原小学校からは、校長先生はじめ全校生が参加の昼食会や、丹原地区の農家・農園での仕事を手伝ってくれたり、教えてくれたりしたことにも感激したようだ。
豊かな自然の中で体験活動をすることで、児童は自然のすばらしさに感動し、さまざまな活動を友達と共に協力して成し遂げられたことに感激した。
子どもたちの体験活動を「なかよし集会」で発表し、地域の方へ報告することができた。
他地域の自然や文化等に触れることにより、垂水町の良さを再認識した。
さまざまな活動を協力することで友情を深め、学級のなかま意識を高めることができた。
引率教員からも初めて行った西条市での民泊は、戻ってきたどの子どももニコニコしていたので、受入農家・農園の人たちが温かく迎えてくれ、良い経験ができたものと感謝している。

学校の推進体制と学校支援委員会の活動
(1)学校の推進体制の概要
学校の推進体制
【学校支援委員会の構成】
  勤務先又は機関・団体名 職 名 備  考
1.
丸亀市教育委員会   主任指導主事
2.
垂水地区連合自治会 会長 学校評議員
3.
白寿会(垂水町老人会) 会長 学校評議員
4.
JA垂水支店 支店長  
5.
垂水小学校PTA 会長  
6.
垂水小学校 校長  
7.
垂水小学校 教務主任  
8.
垂水小学校PTA   農業・情報ボランティア
主事には,豊かな体験学習の指導のあり方や研究の進め方について指導をしていただいた。
保護者代表とPTA会長には具体的な計画について支持をいただき、協力体制をつくったが、西条の農家等は「手伝いは必要ない・まかせてください」とのことで、実質の援助は必要なく終えた。


(2)成果等
支援委員会では、計画段階から多面的な見方から貴重な御意見をいただいた。活動後、成果等を報告したり、取組の報告会を参観したりしていただくことによって、課題や改善策が明らかになった。
受入地域を含む関係者との連絡・調整等を通して担当教員の調整能力を伸ばすことができた。
交流先の地域がもっている歴史・文化・自然・人材等のネットワークを広げたり、それらの教育資源を活動の中に取り入れたりすることができた。
受入地域に活動の成果を情報提供することによって、学校と受入地域との人間関係が深まり、西条市丹原の農家・農園代表者8名と西条市職員2名が年末にわざわざ西条市特産の愛宕柿を2箱持参して、4年生に干し柿づくりを教えていただいた。
自然や地域の産業・生活・文化に触れ、地域の特性をうまく利用している人々のくらしに関心をもち、自然に合わせたくらし方に共感することができた。
垂水町のタマネギづくり調べを元に綾歌町の菊づくりを調べたり、平地でのくらし調べを元に山地や平地の栽培やくらしを体験したりすることは、児童の興味・関心を高めたり、気づきに感動したりして、探究心を継続してきた。また、既習事項と比較しながら思考できたので、理解が深まった。
児童が活動経験を繰り返すことによって、見学・視察・インタビューなどの段階の学習が上手く実行できるようになり、コミュニケーション能力が身についてきた。
3泊4日の久万高原町と西条市での宿泊学習は、丸亀市では決して経験できないことをじっくりと丁寧に学習できたので、感動を伴ってより深い理解につながった。
久万高原町や西条市での学習では、地域の方の親切な対応や熱心な仕事ぶりに出会うことができ、その土地で苦労しながら一生懸命に生きていく姿を見て、人間の生き方の一端を学べた。西条市では、民泊体験により、生活習慣や礼儀も学べた。
今後の課題と改善点
一人一人に表現力が付いてきているので、今後も、体験活動と表現する活動とを関連させた指導計画を立案し、実施していく。
自己有用感が高まり、児童の積極性や社会性の高まりが学校内外で見られるようになってきているので、今後も体験活動を継続・充実していき、さらに力を伸ばしていきたい。
有効な取組を存続させるために、どこに支援を求めるか検討すべきである。
(1)課 題
今年行った体験活動を次年度にレベルダウンすることができず、保護者や子どもの期待もあり継続する必要がある。
保護者には、取組の様子と成果を発表したが、家庭や地域への発信が十分ではなかった。
評価をもとに、すべての活動や体験が子どもに豊かな心を育てるためのプログラムとなっていたかを検討し、次年度の活動につなぐ必要がある。
豊かな体験事業5年間の取組の実績を基に,民泊を含む長期宿泊体験学習を企画する。
3泊4日の宿泊学習は、たくさんの体験活動を計画したので、担当者との事前の打ち合わせが難しかった。特に,西条市での民泊活動では、家族の一員として充実したものとなるように、担当者や民家との打ち合わせを綿密に行う必要性を感じた。
たくさんの活動の一つ一つが子どもたちの課題に対してどのように効果があったのか、どのような道筋で体験させることがより効果的だったかについて、評価をもとに再度検討し、豊かな心を育てるためのプログラムを考えていきたい。
9月上旬から10月上旬の1ヶ月で、豊かな体験事業関係を54時間も費やすほど多忙な日々を過ごしたことは、計画よりも事業に押し流された感がした。
また、この豊かな体験事業を4年生という年齢で行うのに無理はなかったか、5・6年生でやるべきではなかったか、反省することも多かった。

(2)改善点
地域の人たちにも理解と協力を得るように、子どもたちの活動を学校のホームページ等で家庭や地域に発信していく。
評価検討会を開き、活動プログラムや評価活動について再検討し、各教科・道徳等との関連を図る。
課題解決に向けて、子どもたちが自主的に取り組む場と時間を多く確保する。
保護者代表者を学校支援委員として、活動のボランティアを計画していたが、今回は受入側の対応が良く、保護者の活動を必要としなかった。しかし、場所や内容によっては、各学年、学校行事等に理解を得、保護者と一体になった教育活動の推進というこれからの方向性も探っていきたい。
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