Q1 「個人情報保護法」とは、どのような法律ですか?
Q2 「個人情報」とは、どのような情報をいうのですか?
Q3 「個人情報保護法」と県の「個人情報保護条例」とは、どのような関係にあるのですか?
Q4 町内会、自治会や同窓会で、名簿や連絡網を作成して配布することはできないのですか?
Q5 町内会などで名簿を作成して配布する場合には、どのようなことに注意したらよいですか?
Q6 重大な欠陥があり、事故を起こす危険性がある家電製品を回収するために、メーカーから、製品を販売した顧客情報の提供依頼があった場合、提供してもよいですか?
Q7 刑事訴訟法第197条第2項に基づき、警察から顧客に関する情報について照会があった場合、顧客本人の同意を得ずに回答してもよいですか?同法第507条に基づき、検察官から裁判の執行に関する照会があった場合はどうですか?
Q8 弁護士会から、弁護士法第第23条の2に基づき、当社社員の情報について照会があった場合、当該社員の同意を得ずに弁護士会に当該社員の個人情報を提供してもよいですか?
Q9 大規模災害や事故等の緊急時に、患者の家族等から、患者が搬送されているかとの問合せがあった場合に、患者の存否情報を回答してもよいですか?
Q10 大規模災害や事故等の緊急時に、報道機関や地方公共団体等から身元不明の患者に関する情報提供の依頼があった場合、患者の情報を提供することはできますか?
Q11 学校で怪我をした生徒に担任の先生が付き添ってきました。保護者の同意がなければ担任の先生に怪我の状態などを説明してはいけないのでしょうか?
Q1 個人情報保護法とは、どのような法律ですか?
A1 今日、個人情報を利用したさまざまなサービスが提供され、私たちの生活は大変便利なものになっています。その反面、個人情報が誤った取扱いをされた場合、個人の権利や利益が侵害されるおそれがあります。このような状況を踏まえ、「個人情報保護法」は、個人情報の適正な取扱いのためのルールを定めた法律として、平成17年4月1日に全面施行されました。
個人情報保護法は、個人情報の有用性に配慮しながら、個人の権利利益を保護することを目的として、基本理念、国・地方公共団体の責務、民間の事業者の個人情報の取扱いのルールなどを定めています。
個人情報は、過剰に保護することが適切なのではなく、適正に利用することによって、地域や社会の協力や連携等が図られ、個人や社会全体に利益をもたらすことについても十分に配慮することが大切です。
Q2 「個人情報」とは、どのような情報をいうのですか?
A2 個人に関する情報で、これに含まれる氏名、生年月日その他の記述等により、特定の個人を識別することができるものをいいます。
また、その情報だけでは特定の個人を識別できないものであっても、他の情報と組み合わせることによって、特定の個人を識別できる場合には、その情報も個人情報となります。
Q3 「個人情報保護法」と県の「個人情報保護条例」とは、どのような関係にあるのですか?
A3 「個人情報保護法」は、我が国の個人情報の保護に関する基本的な考え方を定めるとともに、民間の事業者(個人情報取扱件数が5,000件を超える事業者に限る)に対する個人情報の取扱いのルールを定めています。
県の「個人情報保護条例」は、県自らが取り扱う個人情報について、その適正な取扱いを確保するためのルールを定めています。
また、「個人情報保護法」で定める義務の対象となっていない民間の事業者(個人情報取扱件数が5,000件以下の事業者)に対して個人情報の取り扱いに関する努力義務を課することによって、法の対象にならない事業者に対しても個人情報を適正に取り扱うことを求めています。
Q4 町内会、自治会や同窓会で、名簿や連絡網を作成して配布することはできないのですか?
A4 次のいずれかの手続きを行えば、名簿や連絡網の作成、配布ができます。
(1)あらかじめ本人の同意を得る
(2)同意に代わる措置を取る
説明
(1)あらかじめ本人の同意を得る
例えば、自治会であれば、会員から氏名や電話番号等を取得する時に、「自治会が取得した個人情報を名簿や緊急連絡網として関係者へ配布する」ことを明示し、同意の上で所定の用紙に必要な個人情報を記入・提出してもらいます。
なお、全員の同意を取れなかった場合も、同意を得ることができた人だけを掲載した名簿や連絡網の作成、配布はできます。
(2)同意に代わる措置を取る
同窓会名簿の作成など本人確認が困難な場合は、次の@〜Cについて、あらかじめ本人に通知するか、事務所の窓口への掲示、ホームページへの掲載などによって、本人が容易に知ることができる状態においておく必要があります。
@利用目的(例 緊急連絡網として配布すること)
A名簿の内容(例 氏名、住所、電話番号)
B提供方法(例 関係者へ配布)
C本人の求めにより名簿から削除すること
この際、本人からの求めがあった場合には、名簿から削除しなければなりません。
Q5 町内会などで名簿を作成して配布する場合には、どのようなことに注意したらよいですか?
A5 配布する場合には、利用目的に沿った利用や個人情報の適切な保護・管理が行われるよう、留意事項を明記して配布するなどの配慮が望まれます。
例えば、留意事項として次のようなことが考えられます。
- 会員相互の親睦や連絡など名簿の利用目的を定め、それ以外には使わないようにすること。
- 名簿に記載された他の会員の個人情報をむやみに第三者へ公表したり、不当な目的に利用させたりしないこと。
- 名簿等の複写や複製を禁止すること。
- 名簿等を破棄する場合は、記載した内容が外部へ洩れないように、適切・確実に行うこと。
また、印刷は必要部数に限り、更新する場合は、返却あるいは各自で確実に破棄するように求めることなどが考えられます。
Q6 重大な欠陥があり、事故を起こす危険性がある家電製品を回収するために、メーカーから、製品を販売した顧客情報の提供依頼があった場合、提供してもよいですか?
A6 「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」(個人情報保護法第23条第1項第2号)に該当し、本人の同意を得なくても提供できます。
説明
製品の不具合が重大な事故を引き起こす危険性がある場合で、購入者に緊急に連絡を取る必要があるが、購入者が膨大で、購入者全員から同意を得るための時間的余裕もないときは、販売会社から購入者の情報を提供することは、法第23条第1項第2号(第三者提供制限の適用除外)で規定する「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」に該当するため、購入者本人の同意を得る必要はありません。
経済産業省ガイドラインQ&A
Q7 刑事訴訟法第197条第2項に基づき、警察から顧客に関する情報について照会があった場合、顧客本人の同意を得ずに回答してもよいですか?同法第507条に基づき、検察官から裁判の執行に関する照会があった場合はどうですか?
A7 「法令に基づく場合」(個人情報保護法第23条第1項第1号)に該当し、本人の同意を得なくても提供できます。
説明
警察や検察等の捜査機関からの照会(刑事訴訟法第197条第2項)や、検察官及び裁判官等からの裁判の執行に関する照会(同法第507条)に対する回答は、法第23条第1項第1号に規定する「法令に基づく場合」に該当するため、これらの照会に応じて顧客情報を提供する際に本人の同意を得る必要はありません。
なお、これらの照会は、いずれも、捜査や裁判の執行に必要な場合に行われるもので、相手方に回答すべき義務を課すものと解されており、また、上記照会により求められた顧客情報を本人の同意なく回答することが民法上の不法行為を構成することは、通常考えにくいため、これらの照会には、一般に回答をすべきであると考えられます。
ただし、照会に応じ警察等に対し顧客情報を提供する場合には、当該情報提供を求めた捜査官等の役職、氏名を確認するとともに、その求めに応じ提供したことを後日説明できるようにしておくことが必要と思われます。
経済産業省ガイドラインQ&A
Q8 弁護士会から、弁護士法第23条の2に基づき、当社社員の情報について照会があった場合、当該社員の同意を得ずに弁護士会に当該社員の個人情報を提供してもよいですか?
A8 「法令に基づく場合」(個人情報保護法第23条第1項第1号)に該当し、本人の同意を得なくても、提供できます。
(注) 弁護士法の規定は、弁護士個人ではなく、弁護士会からの照会についてのものです。
説明
弁護士法第23条の2に基づく弁護士会からの照会に対する回答は、法第23条第1項第1号に規定する「法令に基づく場合」に該当するため、照会に応じて提供する際に本人の同意を得る必要はありません。
なお、弁護士法第23条の2に基づく弁護士会からの照会は、強制力を伴わないものの、一般に回答する義務があると解されており、同照会制度の目的に即した必要性と合理性が認められる限り、一般に回答をすべきであると考えられます。
経済産業省ガイドラインQ&A
Q9 大規模災害や事故等の緊急時に、患者の家族等から、患者が搬送されているかとの問合せがあった場合に、患者の存否情報を回答してもよいですか?
A9 「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」(個人情報保護法第23条第1項第2号)に該当し、本人の同意を得なくても提供できます。
説明
患者が意識不明であれば、本人の同意を得ることは困難な場合に該当します。また、法第23条第1項第2号の「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合」の「人」には、患者本人だけではなく、第三者である患者の家族や職場の人等も含まれます。
このため、このような場合には、第三者提供の例外に該当し、本人の同意を得ずに存否情報等を回答することができ得ると考えられるので、災害の規模等を勘案して、本人の安否を家族等の関係者に迅速に伝えることによる本人や家族等の安心や生命、身体又は財産の保護等につながるような情報提供を行うべきと考えます。
なお、「本人の同意を得ることが困難な場合」については、本人が意識不明である場合等のほか、医療機関としての通常の体制と比較して、非常に多数の傷病者が一時に搬送され、家族等からの問い合わせに迅速に対応するためには、本人の同意を得るための作業を行うことが著しく不合理と考えられる場合も含まれるものと考えます。
電話による問合せで、情報提供の依頼者と患者との関係が十分に確認できない場合には、存否情報やけがの程度等の情報提供に限定することも考えられますし、相手が患者の特徴を具体的に説明できるなど相手が患者の家族等であると確認できる場合には、より詳細な情報提供を行うことも可能と考えます。
厚生労働省ガイドラインQ&A
Q10 大規模災害や事故等の緊急時に、報道機関や地方公共団体等から身元不明の患者に関する情報提供の依頼があった場合、患者の情報を提供することはできますか?
A10 「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」(個人情報保護法第23条第1項第2号)に該当し、本人の同意を得なくても、提供できます。
説明
報道機関や地方公共団体等を経由して、身元不明の患者に関する情報が広く提供されることにより、家族等がより早く患者を探しあてることが可能になると判断できる場合には、法第23条第1項第2号の「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」に該当するので、医療機関は存否確認に必要な範囲で、意識不明である患者の同意を得ることなく患者の情報を提供することが可能と考えられます。具体的な対応については、個々の事例に応じて医療機関が判断することになります。
厚生労働省ガイドラインQ&A
Q11 学校で怪我をした生徒に担任の先生が付き添ってきました。保護者の同意がなければ担任の先生に怪我の状態などを説明してはいけないのでしょうか?
A11 生徒が付き添ってきた先生の同席を拒まないのであれば、同席させて怪我の状態や治療の進め方等について説明することができます。
説明
家族等への病状説明については、病態等について、本人と家族等に対し同時に説明を行う場合には、明示的に本人の同意を得なくても、その本人と同時に説明を受ける家族等に対する診療情報の提供について、本人の同意が得られたものと考えられます。
同様に、生徒の治療に教職員が付き添ってきた場合についても、生徒が付き添ってきた先生の同席を拒まないのであれば、生徒本人と担任の先生を同席させて怪我の状態や治療の進め方等について説明を行なうことができると考えます。
同席して説明を受けなかった場合に、後から担任の先生が医療機関に問い合わせるのは、「学校からの照会」一般の考え方と同様に、本人の同意がなければ回答できません。
ただし、怪我の原因となった事故の再発防止や、再発した際の応急処置等に有効であり、学校側に必要な情報を伝えておくべきと医師が判断できる場合は、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」に該当し、仮に当該生徒本人の同意を得られない場合であっても、必要な範囲で先生に情報提供できると考えます。
厚生労働省ガイドラインQ&A